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ロンドンオリンピック・女子マラソン Women's Marathon

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日曜日は終日、家のテレビでオリンピック・マラソン観戦。土曜日、グッドウッドから帰って来れたのは10時半頃でクタクタだったし、日曜は冷たい雨が降っていたので観に行くのをやめて自宅で観ることにしたのだった。ちなみにグッドウッドから帰ってくるのがそんなに遅くなった理由は、ロンドン行きの列車の本数が少なかったためで、土曜のせいか1時間に1本しかなかったからである。競馬場からバスに乗って駅に着いた時に列車はちょうど発車し、丸々1時間待つ羽目になった。駅前でパニーニとカフェ・ラテを買ってのんびり1時間・・こういう時間もたまには悪くない。

マラソンは、いろいろ考えさせられる場面があった。特に、中国の選手が先頭を走るイタリアの選手にプレッシャーをかけ続けていた場面では、プレッシャーをかけるほうも相当なストレスになっているであろうことが窺えた。半分ぐらいの距離しか走っていないのに、無駄な精神力を使っているなあと思ったら、案の定だった。また、ああいうことって、人間のふだんの社会生活にあてはめて考えるとおもしろい。それにしても、勝ったエチオピアの選手の喜びようは微笑ましかった。国旗を手に次々ゴールインしてくる選手たちに逆走して行くのを見ていると、あまりの微笑ましさに涙が出てきた。

マラソンで彼女たちが走った道は、平坦ではない。オリンピックの準備がされていた時期、わたしは自転車であのコースのうちの10キロ程度を走ってみたことがある。バッキンガム宮殿の周辺など平地のところもあるけど、英国はもともとが丘だらけで坂が多いんである。映像では平坦に見えても実は坂というところが多いので、特に雨が降っている時間帯は余計なパワーが要って選手たちは大変だったと思う。そういう、道への知識があるだけに今回のマラソン競技に対する興味がより湧いていたし、見ていて刺激的だった。

そうそう、先日、オリンピックマークの入ったブルゾンを着ている人たちが町・道案内をしてくれていると書いたけど、彼らはほとんどがボランティアでしてくれていること。わざわざ他地域からテントを担いでロンドンへ来て野宿しながらボランティアにあたっている人々もいる。

英国って、そういう国なのよ。わたしの家のオーナー、リンネットの娘さんも、彼女は先月大学を卒業したばかりで、社会人になる前に週に3、4回のボランティア活動をしているらしい。そういうことが当たり前に行われている国だから、親切な人格が育まれていくのだろう。そして、そういう国だから障害者の人々も安心して出かけられる。だから車椅子に乗った人を見る頻度が、日本とはまるで違う。
# by yukaashiya | 2012-08-05 22:42 | 英国生活編

グッドウッド競馬場 Good Wood Race course

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1日の訪問に続けて行った、グッドウッド競馬場。遠いのと交通費がけっこうかかるので(笑)一日だけでいいかなとも思ったけど、先日書いたように初日は訪問までに時間を要して現場には4時間ぐらいしかいられず、写真も得たい情報も不足していると感じられたのでこの日も行った。

行って良かった。レース開始の2時間前に到着し、レース後は1時間ぐらい滞在。そのゆっくりした時間のなかでこそ「グローリアス・グッドウッド」開催を楽しめるのだと感じたし、この開催はそれだけの時間を費やす甲斐がある。取材で行ったとはいえとても楽しめたし、来年は仕事でなくふらりと遊びに来たいと思ったものだ。

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1Rのハンデ戦では、ゲート付近で撮影させてもらった。「走るのいややねん」とダダをこねてゲートに入らない馬がいて、その馬は覆面をされて5人がかりで押されてもなかなか動かず、その頑固な姿には思わず笑ってしまった。後肢に注目。

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この時、ゲート前に行かせてもらった理由の一つに、馬を手前に、スタンドを背景に入れたかったのがある。スタンドがいくつもあって撮影が難しいため、その方法を撮ったのだった。ところが撮影の瞬間、女性が左端に入り込んできた(泣)。びっくりしてタイミングもズレ、スタンドはほとんど写らず・・この写真は没。

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この日は英国チャンピオンシリーズの一つ「NASSAU STAKES」(G1)があり、The FUGUEが1馬身差で快勝。管理するジョン・ゴスデン調教師はナサニエルの調教師でもある。ヒューグはこのあとヨークシャー・オークスに向かい、秋にはサンタアニタへ行くようだ。ちなみにヨークシャー・オークスは、フランケルが出るインターナショナルSの翌日である。英国の夏競馬は、実に華やかで刺激的だ。

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鞍上のヒューズ騎手(Hughes, Richard Davis)は38歳で、昨年は英国だけで130勝。一昨年は192勝もしている。この馬には前走までビュイック騎手が乗っていて、ヒューズ騎手は初騎乗。ヨークとサンタアニタでは、どちらが乗るんだろう。


競馬場へ行くたびに顔見知りの人が増えて行き、と同時に会話も増えていっているのが楽しい。彼らは英国の競馬のことを教えてくれるし、逆にわたしは日本の競馬の今昔を聞かれたりして、相互に知識を増やせているように思う。

そんななか、残念な情報が舞い込んできた。「うわさ」として聞いたし決定事項かどうかは確認できていないので場名は記さないでおくが、年内に2カ所の競馬場が閉鎖されるらしい。不採算によるもので、どちらもローカルエリアにある小さな競馬場である。
# by yukaashiya | 2012-08-04 23:39 | 英国生活編

イギリスの 水 Water in UK

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イギリスの水は日本と違って「硬水」(日本は基本的に「軟水」)。触って硬いわけじゃなく、もちろん喉の通りが悪いというわけでもない。ただ、慣れないうちはおなかが緩くなるし(かといって痛くなるわけでもない)、肌が荒れる。洗顔する時は、掌で優しく洗うのがいい。

英国では使ったあと石灰が溜まると言われているけど、洗面台やキッチン、バス、トイレなど、わたしはすでに3ヶ月以上使っているけどちっとも溜まらない。あたりまえの掃除をあたりまえにしておけば、問題ない。気になるなら石灰を除く「ライムスケール」除去剤を使えばいい。

そんなことよりも、1週間もすればおなかも慣れるし、ある日ふと英国の水が美味しいことに気づく。わたしはコーヒーを飲む回数がうんと減り、水を飲む回数がうんと増えた。以前、英国に暮らしていたというカメラマンの村田さんも「イギリスの水はおいしい」と言ってらした。それにどうやら「硬水」って硬度にもよるけど体にいいらしい。ちなみに日本でも売られているエビアンも硬水だったと記憶している。


水の硬度よりも英国で気になるのは水道管。ヴィクトリア時代の建物やそれ以前からの建物などもたくさんあるから、水道管が古い場合があるんである。だから修理屋さんも手が回らない。先日は、ロンドン市内のある地域で水道管が破裂し、近辺の街が洪水状態になった。なんとその地域のパイプは、100年も使っていたんだとか。英国はインフラ整備が遅れているのだ。

もひとつびっくりしたのは、どの家庭にも水道メーターがあるわけじゃないということ。特にわたしが暮らしているような100年以上の歴史を持つ建物にはないことのほうが多いらしい。じゃあメーターがない家の水道料金はどうやって決まるかというと、部屋の大きさや人数に応じた料金らしい。でも、それにしても人によって水の使い方は違うはず。暮らす前に不動産会社の人にメーター設置を水道業者に依頼してくれと言ったら、「依頼しても、多分3ヶ月先って言われます。すると来るのは実際には5ヶ月先になると思います」。それって、わたしが英国を出る頃やん。

かくしてメーターがないまま推定料金の請求が来るのだが、これが日本で使っていたわたしの平均料金の1.7倍。本当ならもう少し金額は落ちるはずで、そう思うには一つの理由がある。わたしが暮らし始めた時、4月25日から来年3月までの料金の請求がまとめてきた。それで驚いて不動産会社に連絡したら水道会社に電話してくれて、まとまった話が月々払い。ただし、なぜか約11ヶ月分が10で割られ、その請求がくる・・・もうええわ、それでって感じ(笑)。ちなみに、料金の内訳の5分の2は「廃水」のための料金。だからつまり、水自体の料金は日本とそう変わらないだろうと思われる。

ただし電気代はびっくりするほど安い。その請求は毎月ではなく、3ヶ月に一回なんだけどね(笑)。もっともそのほうが請求書送付の手間や送料がかからなくて、いいのだろう。ちなみにガス代は、まだ一度も請求が来ていない。頼むから、ドカンと来ないでよね。

まったくもって、おもろい国やわ・・・ほかの国もそうなのかなあ。
# by yukaashiya | 2012-08-02 23:36 | 英国生活編

フランケル FRANKEL

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フランケルがグッドウッド競馬場のサセックス・ステークス(G1)に登場。2着以下につけた差は6馬身で、「あたりまえ」に勝った。レース後、トム騎手は左手の指で目頭を抑えていた。負け知らずの11連勝馬で闘って12連勝。なぜこのタイミングでの涙なのかは分からないけど、胸にじわりとくるシーンだった。目にゴミが入っただけなんだったら、怒るで(笑)。

フランケルって、アメリカの調教師の名前。馬主のカリド・アブドゥラ氏は米国で馬を走らせる時、ボビー・フランケル調教師の協力をかなり得ていたようで、相当懇意にしていたらしい。ボビーは2009年の11月にガンで死去。68歳だったという。馬に彼の名をつけた時期は定かでないが、こういうドラマが背景にあると、競馬での勝利に情緒がくわわって心に響くものがある。

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表彰式での風景。左端の男性は、スポンサー会社の代表者らしき人で、男の子たちはその彼の子供のようだった。隣にいたカメラマンに聞いたけど「誰かわからん」って(笑)。
トム騎手の人柄が伝わってきたのが、このシーン。記念撮影の時、子供たちの目線の高さに合わせるようにわざわざ腰を落として撮影に応じていたからだ。


グッドウッドへはフランケルが出るから行ったんじゃなくて、「グローリアス開催」と「サセックス・ステークス」を見たいがゆえだった。取材の申し込みはロイヤルアスコット開催の前にしたから、ここへフランケルが出るのは当然知らず、だから偶然の産物。なんてラッキーだったんだろう。

ただ、帰りは3時間程度で帰ってこれたものの、行きは5時間を要してフラフラ。なぜそんなにかかったかというと、最寄り駅のチチェスターから競馬場まで6kmぐらいなのだが、競馬場までの道が大混雑していて1時間経ってもまだ到着していなかった。近場まで来ると渋滞はさらにひどくてバスはほとんど動かず、それでほかの乗客とともに途中下車して歩いたという経緯もある。

でもその前に、時間がかかったことがもう一つ。チチェスターからはバスかタクシーがあると聞いていたので、駅を降りて目の前にあった列に並び、待つこと1時間。タクシーはたまに来るけど競馬場行きの客で忙しく、駅前にはほとんど回ってこない。バスは全く来ない。でも、その列に並んでいた年配の女性に聞くと、彼女は

「わたしも知らないの。でも何かしら“乗り物”が来ると思って待っているのよ」

思わず微笑んでしまったこのおおらかな言葉。近くに立っている人たちから聞こえてくる言葉も、「タクシーが来るのか」「バスかもね」「待ってりゃ何か来るさ」って感じ(笑)。

それでわたしものほほんと1時間、立っていたというわけ。それでもレース開始の2時間前には競馬場に着いて撮影場所の下見をするつもりでいたので、2時間をきるとちょっと焦り出した。わたしの後ろに立っていたグループは疲れはじめ、その一人が「他に方法はないのか」と駅の反対側へ見に行き、なんとバスはそちらから発車していたことが判明。しかも、それなりの本数が出ているらしい。急いでそちらへ向うと、これまた長蛇の列。それでも30分後には乗れたし、とにかく競馬場へ行けて良かった。グッドウッド競馬場へ行く時は、ロンドンからの列車が着いたホームの反対側の改札を出るべし。ちなみに、ロンドン・ヴィクトリア駅からチチェスターまでは約1時間40分。

それにしても、わたし変わったなあ。1時間ものんびりと「乗り物」を待っているなんて、昔のわたしじゃ考えられない(笑)。3kmぐらいなら歩いただろうしね。以前のわたしは、500mでもタクシーに乗っていた。それほど当時は疲れていたんだろう。いやあ、実に健康的になった。


フランケル、次走はヨーク競馬場の「The Juddmonte International」に向う予定。約2100mの距離だ。カリド王子のレーシングマネージャーは

「フランケルにとって新たな挑戦になる。みんながそれを見たいと望んでいるだろうし、フランケルにはその準備が出来ていると思う」
# by yukaashiya | 2012-08-01 23:52 | 英国生活編

イギリスのトイレ 2 Toilet in UK 2

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イギリス、特にロンドンには基本的に、日本のような公衆トイレがない。いや、あるにはあるけど、無料の公衆トイレがない。無料で使えるのは、美術館や博物館、図書館、公園ぐらい。デパートならハロッズ、スーパーで貸してくれるのは、ウエイトローズだけじゃないかな。イギリスでも郊外に行けば駅のトイレは無料だし公衆トイレが無料なところもあるようだけど、少なくともロンドンではそれがない。

それじゃ街中を歩いている時に行きたくなったらどうするかというと、有料のトイレを使うしかない。上の写真は、歩道上にあった有料トイレ。トイレというには入り口が洒落ていて、ちょっと分かりにくい。ウエストミンスター・シティ運営のトイレで、地下にある。これがどこにでもあるかというと、これまたそうではない。

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駅のトイレも有料なら、ショッピングセンターの中にあるトイレも有料。30ペンスだったと思う(約40円)。だいたい両替機がそばにあるので、小銭がなくても安心。また、このシステムは防犯上もいいと思う。日本での感覚からすると、実は払いたくないけど(笑)。

トイレに入場料なんて、と思う人は、ホテルや家ですませていくか、レストランやバーへ入ったついでに行くしかない。どちらにしても、慣れるとどうってことない。

そうそう、ハロッズのレディス用トイレには香水やハンド・クリームまで置いてあり、さすがハロッズとびっくりした。日本でそんなことしたら、すぐに持っていかれてしまうだろうな(笑)。でも英国じゃ、そんなことをする人はいないんである。

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<ハイド・パークにある公衆トイレ・無料>
# by yukaashiya | 2012-07-31 23:13 | 英国生活編