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口は災いのもと

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(「ヴァージン・マネー」ロンドンのラウンジ)

英国には日本にないタイプの企業や職業があり、例えば日本では飛行機会社として知られているヴァージン社のグループ企業の1つに「ヴァージン・マネー」がある。この会社は日本で言うところの銀行ではなく、だけど定期預金や不動産ローン、クレジットカード、外貨送金や両替、個人年金、保険など、資産運用を請け負っている。そのラウンジが上の写真で、すんごくオシャレでしょう。ここで先日、数々のミュージカルに出演している歌手のコンサートが行われた。チャリティの一環で、入場そのものは無料。素晴らしい歌声に鳥肌が立ったし、彼女が共演したことがあるという歌舞伎役者の松本幸四郎さんのエピソードは面白かった。

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最近、リージェンツ・パークの近くにピアノが弾けるスタジオを見つけて、週に一回、通っている。ずっと弾きたくてたまらなかったから喜び勇んで行っているけれど、春に折った指はまだ完治しておらず、腫れがひどくなった。それでも動かすことはリハビリになっていいだろう(医者も勧めてた)。そんな昨今、相変わらずいろんなレクチャーなどにも顔を出している。今週はタワー・ブリッジの歴史を探る講演会や「十字軍戦士はタトゥーをしていたか」という興味をそそられるレクチャーにも行ってきた。後者は「Museum of the order of St John」であり、この写真がそれ。16世紀に建てられた趣のあるゲート・ハウスにこの博物館が入っており、まさに歴史を感じながら興味深い話を聞くことができた。

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もう一つ印象的だったのはブリティッシュ・アカデミーでの討論会で、人口原理について書かれた18世紀のエッセイをベースに行われた。このアカデミーの専門分野全体を通して影響を持っている歴史上の人物の生活と仕事についてもう一度考察してみようというシリーズの1つで、他の講演会なども含め、こうして英国人は機会を作って歴史を紐解き、後世に伝えていこうとする姿勢が感じられる。今年の、ロンドン大火から350年の記念イベント(めちゃくちやたくさんあった)もその1つで、良いことも悪いことも全部ひっくるめて行うから、なお好感が持てる。

昨夜はまた社交クラブのメンバーからお招きを受けて、長い歴史を持つ2つのクラブへ行ってきた。お会いしたのはメディア関係の方が多く、著名な記者や編集者、元国会議員、貴族の家系に育った女性、米国CIAのメンバーと推測される人まで、普通に暮らしているだけじゃ知り合えない人々との交流はとてもとても刺激的だった。

ただし、1つ大きな失敗を犯してしまった。

ふだん、相手の暮らしてきた背景を知らないうちはいかなる批判も口にしないでおこうと思っているのに、英国以外はどこの国に滞在しているのかと聞かれ「アメリカも?」と重ねて尋ねられた時、つい「アメリカには興味がない」と言ってしまった。あとで知ったのだが、その女性のご主人であり同席していた男性はかつて大学でアメリカの歴史を教えていた人だった・・・・・。
by yukaashiya | 2016-10-02 02:35 | 英国生活編


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