メルボルン市内にあるフィッツロイというエリアへ行ってきた。今回も日本のガイドブックのお勧めに従って行ってきたのだが、アメリカン・ポップや偏ったファッション、あるいは古着が好きな人でなければ、少なくともわたしには退屈なエリアだった。
2、3の個性的なカフェとこのアイス・バー(内部は全て氷の世界らしい)にはちょっと興味が沸いて写真も撮ったけど(笑)。
でもね、来て良かったと思えたことが1つ。それは、このボードを目にした時のこと。
あれっ、と思って足を止めたのは、たくさんの花が店先に供えてあったから。そして、どうやら閉店したらしきお店の一面に貼ってあったボードには、数えきれないほどのメッセージが書かれている。
どうやら、このお店の店主はゴードンさんと言い、つい最近亡くなったようである。おそらく彼はこの街の人々や常連客にとても愛されていたのだろう。高齢の男性だったようだが、たくさんの若者たちから慕われていたようだ。わたしがこれを見た日は彼のお別れ会をどこかのホテルでするらしく、その案内も貼られていた。
人と人との繋がりや交流が希薄になっていくこの世の中で、インターネットのような機械や電波上の繋がりではなく、ペンを持った彼らの手の温もりが伝わってくるようなメッセージの数々。拾い読みしているうちに世の中はまだまだ捨てたものではないなあと感じられ、会ったこともないゴードンさんの存在に感謝している自分がいた。