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紳士の条件

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(トラファルガー・スクエア。スクリーンの後ろに立っているのはネルソン提督の記念柱。スクリーンの左手後方に見えるのはビッグ・ベン)

木曜はいきなり夏を迎えたかのように暑かったロンドンだが、火曜と水曜は冬のように寒かった。フラット・メートの1人のナターシャが「6月というのに、信じらんない」とぼやいていたが、イギリス人の彼女が言うぐらいだから通常の6月にはあり得ない寒さだったのだろう。

その寒さの中、トラファルガー・スクエアでのオペラ放映を観に行ってきた。毎年BP(British Petroleum)社が主催しているもので、後援はアーツ・カウンシル。オペラハウスで行っているオペラを生中継して、市民に楽しんでもらおうというもの。さすが舞台や芸術のロンドンだけあって、こういう試みは文化や芸術に触れる機会を多くの人にもたらし、特に若者たちの未来へ大きく繋がるような気がしている。

それに、屋外イベントとピクニックが大好きな英国民にとって、願ってもない環境。ピクニック・バスケットやワインを持ってくる人も多い。ボトルは持ち込み不可で、だけど持って帰れとか捨てろなんて野暮なことは言わない。イベント主催者側がデキャンタを用意してくれていて、それを貸してくれるのだった。つまり入り口でボトルさえ捨てれば、そのデキャンタを持って中へ入り、仲間内でワインを楽しみながらオペラが見られるのである。しかも、使い捨てのビニール・クッションまでくれる。

このBPのイベント、今年は3回の予定で、昨日の演目はプッチーニの「ラ・ボエーム」だった。昨年プラハの劇場で観たけれど、演出者や出演者などの違いによって舞台がどんなふうに違うのか、興味津々で行ってきた。

衣装や舞台セットなどはもちろん違ったが、最も興味を引いたのはユーモアが散りばめられていたこと。それは出演者のセリフだったり表情だったりアクションだったりするのだが、何度も何度も笑えるところがあった。哀しい物語にそういう演出をするとは、さすが「紳士の国」である。

英国で紳士といえば、「ユーモアのセンス」が欠かせないからである。

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(19時半開始、22時半終了)
by yukaashiya | 2015-06-12 08:17 | 英国生活編


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