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リタの誕生日

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(12月31日で5歳になったリタ)

正月2日の夜になっても、表通りを走る車からは大音量で「ジングルベル」が聞こえてくるバルセロナ。クリスマスはやはりまだ続いているのであります。10年以上前になるが、初めてマレーシア・ペナン島で年越しをした時、正月が明けても空港に「Merry Christmas&Happy New Year」のメッセージがツリーにかけられているのを見てびっくりしたのを覚えているけど、国(あるいは地域)によってはそれでいいのね。

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大晦日の日は家主ラウラの娘リタの5歳の誕生日だった。それでラウラ一家は30日から別宅へ(いまも)。その日にラウラから「リタはユカからもハッピー・バースデーを言って欲しいみたい。良かったら明日、山にある家へ来ない」かと誘われて12月31日に行って来た。ラウラのご両親が回り道をしてピックアップしてくれて、その家はバルセロナから高速道路を使って1時間半かかる地域の小高い山の上にある。ラウラ一家が賃貸している別宅だ。

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これは同じ敷地内にあるオーナーの小城のような邸宅。ラウラによると「オーナーは日本で言うところのサムライだった家系らしいよ」というから、おそらく騎士かそれに準ずるような家系なのだろう。サムライは大抵の場合、外国ではそれなりに身分の高い職だったと思われているからである。そのオーナーから借りている家は、オーナーの農場で働いていた人たちの寮のようなものだったらしい。寝室は5室、大きなキッチン・ダイニング、広いリビングと、使用人たちもさぞ快適に過ごせていたであろう大きな家屋である。

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着くと30日から泊まっているラウラたちの友人家族もいて早速パーティ気分。この日だけで20人以上が集まったんじゃないだろうか。みんなでランチの用意をしたのだが、チキンやベーコン、ポテト、ウインナーなどを巨大な暖炉で焼いて、それはもう格別に美味しかった。

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ランチが済むと、ラウラが焼いたケーキにろうそくを灯したケーキをラシッドが厳かに運んでくる(こういうのも欧米ならではだね)。みんなでハッピー・バースデーの歌を歌い、緊張したリタはちょっとグズッた(笑)。欧州での家族・友人に囲まれた誕生会を自分も参加者としてその場にいるなんて、そうできる経験じゃない。だから、わたしも緊張した(笑)。

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ケーキを食べたあとはプレゼントのお披露目。リタはクリスマスに続いてたくさんのプレゼントをもらって興奮気味(笑)。

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リタが最も気に入ったのは、大伯母さんからもらったドレスセットだったようだ。ティアラまで付いているロングドレスのセットが欧州では売っているのね。

誕生会は夕方6時頃まで続いた。この日もっとも印象に残ったのは、ダウン症の子供(1、2歳)を連れてきた家族の存在とそれに対するほかの人々のごくごく自然な振る舞いだった。日本では障害者(児)を表に出さないでおこうとする家が圧倒的に多いと聞くが欧州ではそうではなく、今回会った家族もむしろ外に出ていろんな人と触れ合わせることを積極的に行っているようだ。また周囲の人々も、それをあたりまえのこととしてウエルカムする。そうした障害者に対する1人の人間としての接し方を一緒にテーブルを囲む形で経験できたことも、わたしにとっては貴重な体験になった。

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誕生会がお開きになったあとは、この家から車で15分ぐらいのところにあるNGOの農場へ。そのNGOでラウラはボランティアをしているし、ラシッドの友人ガーナ人2人がそこで暮らしてもいる。電気も水道も通っていないところで、水は大きなタンクで運び、電気はソーラーパネルで作動させている。農場での仕事は全て手作業。ドラム缶に前夜張った氷が夕方になっても溶けていない寒い寒い山の上で、それでも自分たちが生きていくために懸命になって働いている人々がいる。その姿を間近で見、話ができたことも、わたしにとって1つの心の財産になっていくだろう。

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(カタルーニャ大晦日の夕暮れ)
by yukaashiya | 2015-01-03 04:55 | スペイン生活編


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