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想像もしなかった人との同居

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バルセロナで部屋を借りたのは、スペイン人女性ラウラのフラット。4室+リビングの家のダブルサイズ・ルームを借りている(ダブル・ルームというのは2人用という意味ではなく、広めの部屋のこと)。家族はご主人のラシッドと、2人の娘の4歳のお茶目なリタ。賑やかで明るい家庭である。

ラシッドはガーナ共和国の出身。ガーナからバルセロナまでは飛行機で7時間かかるそうだ。アフリカ大陸も大きいもんなあ。ただ、ラシッドは「2年半かけて来た」というから驚いた。2年半という期間から想像できるように、彼は船で来たのだ。ぶっちゃけた話が不法に移民してきたわけで、その後ラウラと知り合って結婚し、いまではガーナのパスポートもスペインの居住権も有しているという(永住権ではない)。いまの幸せを手に入れるまでにどれほどの苦労があったか、それは計り知れないだろう。

ただしスペインはまだまだ不況のまっただ中で、国民の5人に1人は職がない状態。ロンドンで何人ものスペイン人と知り合ったが、仕事を見つけるのは難しく、それで彼らはロンドンへ英会話を学びにやって来ているのだった。観光国なだけに英語を話せると職を得られるチャンスがグンと増えるのだと、彼らは口を揃えて言っていた。それほど、スペインでは現在も失職率が高い。

そういう背景があるだけに、居住権は得ていてもスペインの国籍を持っているわけではないラシッドは仕事を得られていない。ラウラがNGOの仕事をして家計を支え、ラシッドは食事を作ったり洗濯をしたりしてお互いに支え合っている。そこに悲壮感のようなものは全くなく、家の中は本当に明るい。しかもラウラはすごく前向きな人で、新たに勉強を始めたいのだと言っている。

どんな環境であれ、幸せと感じられる何かを見つけたりそのための工夫ができるがとうかは自分自身にかかっている。バルセロナでの一ヶ月間、彼らから学べることがたくさんありそうだ。
by yukaashiya | 2014-12-18 06:11 | スペイン生活編


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