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「お釣り」の概念

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国によって「お釣り」に対する概念が違うことがある。それを初めて知ったのは何年も前のイタリアで、バッグを買って数百円分のお釣りがあるはずなのに返ってこなかったことがあった。発展途上国であるような「ダマし」ではなく、あたりまえのようにお釣りを出してこなかったので、なんとなくこちらから言いにくくてそのままになった。もっともそれ以前に、イタリアではそれがよくあることとして聞いていたせいもあった。

わたしは金銭感覚が比較的きっちりしているほうだと思うが、もらうお釣りに関しては日本でも海外でもチェックすることはまずないのでそれまで気づかなかっただけで、もしかしたらほかの国でもあったかもしれない。気づくケースはこのバッグの時、つまり195ユーロの価格に対して200ユーロを差し出した時のように、計算しなくてもお釣りがあると容易に分かる時だけである。

クロアチアのお金の単価はクーナとリッパで、1クーナ=約17円。リッパは10単位と1単位があって、つまり10リッパは1.7円、1リッパは0.17円ということになる・・なんだ、0.17円か・・と、こうして書いていていまさらながらに思うような価値だ(笑)。とはいっても、日本に「1円を笑う者は1円に泣く」という言葉があるように、どんなに小さな単位であっても大切なものである。

その1リッパのお釣りを、クロアチアではくれないことがある。たとえば29.99クーナのたばこを買い、30クーナを出したら“あたりまえ”のようにして1リッパをくれない。それどころか、定価が29.99と表示されているのに、店の人は「30クーナ」と請求してくる。スーパーマーケットでさえ、そういうケースがある。

それに慣れてきたいまはもう「お釣りは」と聞かなくなったが、はじめのうちは単に忘れているんだろうと思ってお釣りを請求していた。それをやめたのは、1リッパのお釣りがなかったようで、5リッパを渡してきたことがスーパーマーケットであったからである。余分にもらうのは本意ではないのだ。

価格がついているのにお釣りを渡さないというケースは、インドのたばこでもあった。日本の価値にしたら数十円分のお釣りを、たばこに定価が表示されているのにくれないというケースが何度もあった。カフェ・レストランで「細かいお釣りは福祉施設に寄付します」と宣言(?)されたこともあった。

インドにしろ他の国にしろそれらについてずっと考えてきたが、こういうことが国民に受け容れられているのは、ふだんから「寄付」という行為が日常生活の中にある国のような気がしている。


いずれにしろクロアチアでは、このように1リッパ程度のお釣りは渡さないことが多いらしい。

それなのに、価格が◯◯.99クーナと表示されているものがメチャクチャ多いのが摩訶不思議(笑)。
by yukaashiya | 2013-11-11 07:08 | クロアチア生活編


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