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ベルギーと漫画

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1847年に完成したというアールヌーヴォー様式の「ギャルリー(屋内遊歩道)・サンテュベール」。欧州最古のアーケードなんだそうだ。観光客はもとより地元の人々もチョコを買いに来たりコーヒーを愉しんだりしている。

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このギャルリーに入る時にふと見上げて驚いたのは、日本人の名前がそこにあったから。

「YOKO TSUNO」。

つの・ようこさんとは一体誰だろう、ベルギーにどのような名の残し方をした人なのだろうと、家に帰ってネットで調べてみた。なんと漫画の主人公の名前らしい。ベルギーの漫画家、ロジェ・ルルー氏が描いたSF漫画で、1978年に発売されたのが最初だそうだ。

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そういやブリュッセルには漫画センターがあったはず。ベルギーでは漫画が文化の1つとして根付いているのかもしれない(ちなみにフランス・パリにも専門の書店があった)。わたしの勝手な推測だが、「風刺画」文化から発展しているんじゃないかと思う。ブリュッセルに来て早々にベルヴュ美術館に行ったのだが、昔から風刺画がかなり描かれていたようでたくさん陳列されていた。

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そういや日本でも有名なティンティンは、ベルギーの漫画家が描いたもの。日本では「タンタン」と呼ばれているしフランス語でそう読むのだと聞いたが、わたしが昨年知り合ったフランス人は確かに「ティンティン」と発音していた。ティンティンを日本語“らしく”発音したら、チンチンだなあ。ティンティンは男の子だから、この読み方にしたら、やけに喜びそうな人がいそうだ(笑)。

発音も意味も、国や言語が違うといろいろ異なって難しい。英語でも、本家イギリス英語とアメリカ英語では綴りや発音、意味さえ違うこともある。日本で教えているのはアメリカ英語である。

ただし、言語の違いにはおもしろい面もある。

たとえばもう一度最初の写真を見て欲しい。「YOKO TSUNO」の上に「Rue」と書いてある。これはフランス語で「通り」という意味で、多くの通りの名のアタマについている。このケースだと「ヨーコ・ツノ通り」だ。

ところがこの「rue」は、英語になると「後悔」「残念」の意味になる。

フランス語の通りには、あちこちに哀れみが溢れているのだ(?)。
by yukaashiya | 2013-10-13 05:30 | ベルギー生活編


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