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乗れたはいいけど・・・

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(ティルチラパッリにある教会)

1月2日、ホテルを午後3時半にチェックアウト。インドのホテルは「24時間制」をとっているところが多く、ゆっくりできて助かった。あらかじめ決められた時刻ではなく、自分がチェックインした時刻と同時刻がチェックアウト・タイムになるんである。

しかもティルチィで泊まったホテルは快適だっただけでなく、鉄道駅までのオートリクシャを「地元値段」で手配してくれて、出る時には何人ものスタッフが「ティルチィに来たらまた泊まりに来て下さい」と笑顔で送り出してくれた。このホテルが地元でも人気があるのがよく分かった。

さて、寝台特急のチケットが取れているかどうか、午後4時に確かめに来いと前日に言われた。それで駅へ行くと、5時以降に来いという。「4時に来いと言われたのに・・」とうなだれて近くの椅子に座ると、不憫に思ったのか年輩のエライさんらしき人が出て来て手配してくれた。良かった〜!!

でもちょっと不安がよぎる。だって切符を発行してくれるんじゃなくて、前日もらったキャンセル待ちシートに車輛番号と座席番号が書き足されただけだったからだ。これで正規のチケットと言えるなら、シートが取れていなくても自分でテキトーに書けるじゃないか。ちなみに書かれていたのは11号車の9番席。

駅のすぐ横には「ウエイティング・ルーム」なるものがあり、1時間15Rs.。3時間借りて約70円。クーラー付きの部屋でソファに座って列車を待てる。いいシステムだ。

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(バンガロールの建物)

インドの鉄道は、(軍事的)輸送能力を知られるため駅さえも写真を撮ってはいけないらしい。ただただウエイティングルームでのんびりしていた。時刻が迫ると部屋を出て、列車で食べるお弁当と水を買いに行く。列車は発車時刻の25分も前に到着。インドは遅れるのが当たり前と聞いていたので、ちょっと感激。時間に余裕を持ってホームへ向った。

ところが・・・わたしのチケットに書かれた車輛番号だけやたら人が多く、列車が到着するや否や席取り合戦が始まった。チケットに寝台番号が書かれてはいるものの、その席へ行くと人が座っている。車輛自体に人が溢れ返っている。わたしが頼んだのはセキュリティを兼ねてその列車の最上席。だけどどう見ても最もランクが下の席。その時に思い出したのだが、最上席は確か約800Rs.と聞いていたが、ウエイティングリストに名前を載せる時は約200Rs.しか請求されていないし、座席が取れたぞと言われたあと追加料金を請求されていないし、わたしもうっかりそれを忘れていた。日本人の感覚からしたら1000円に満たない金額のため、たいして意識していなかったのだ。

うわーん。もともと「焦りん」のわたしはいろんな意味で焦りまくり。どうすりゃいいんだとその車輛を降りて職員らしき人を探した。

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(バンガロールのブリティッシュな建物)

するとそのスタッフは9号車を指してそれに乗れという。なんで違う番号の車輛にと思いながらもわけがわからないまま乗り込んだ。列車内部の作りは同じだったけど、こちらのほうが人の数が少なくて、乗っている人たちの雰囲気も違う。だけどホッとしたのも束の間、9番席に行くとやっぱりそこには人がいる。わたしのチケットを見せると11号車に戻れという。でもすし詰め状況になっているあの車輛に戻りたくない。

別の空いている席へ行って近くに座っているインド人グループにことの顛末を話すと、ここにしばらく座っていたらいい、鉄道係員が来たら聞けばいいよと、安心させてくれる。彼らは一般的なサラリーマンらしく、しかもとても感じがいい。いろんな話をして気持ちを和ませてくれた。

そこへ指定席に座っている人の名前を確認しに鉄道係員がやってきた。わたしから彼に話しかけると、「英語は分からん」というよいうなことを言って、手で追い払われる。えっ・・確認しなくていいんですか。わたしたちの様子を見ていたサラリーマン・グループは大笑い。そんななか、列車は発車した。しばらくするとみんなでシートを倒し、あっという間に寝台車に早変わり。それぞれ横になった。

ところがまたしばらくすると先ほど座席番号と乗客の名前を合わせに来た人ともう一人女性のきっつそーな鉄道警察のような女性がやってきて、サラリーマンたちに「ベッドが降りてあっちへ行け」と言っている。どうやら彼らはウエイティング・リストに名前を載せたはいいが座席は取れていなかったらしい。彼らもそのシステムをよく分かっていなかったみたいだ。現地の人でさえわからないものを、わたしに分かるかってんだ。

わたしはそのままそこに居続けたけど、気持ちは落ち着かない。サラリーマンたちみたいにわたしもいつ「ベッドを降りて列車も降りろ」と言われるか分からないからだ。するとさっきの鉄道警察員らしき女性がまた戻ってきて、何か言いながらわたしを指差した。追い出される〜っと焦りながら横たえていた体をガバっと起こすと、なぜかなぜか手を上下に振って「そのままそこにいたらいい」という。きっと外国人旅行者だからだろう。というのも、、サラリーマンたちがよそへどかされてあとからそこへ寝に来た人たちも次から次へと追い出されていた。つまり正規のチケットを持っていなかったりその座席が取れていないのに寝に来る人が次から次へといたんである。きっとこれは、日常茶飯事なのではないだろうか。だけど外国人旅行者にはおそらくそれはあり得ない。だから一種の「外国人旅行者に対する信用」みたいなものがあるんじゃないかと思う。

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(バンガロールのブリティッシュなセント・ポール教会)

気持ちは落ち着かないままうつらうつらした程度で10時間近くの寝台列車での旅が終了。予定より30分以上も早い午前5時過ぎにバンガロール駅に到着。インド鉄道での初めての旅は、心臓に悪かったがいろいろ経験できておもしろくもあった。次に鉄道を使う移動でこの経験を生かそう。

まだ闇に包まれた街中をオートリクシャーで移動して、ホテルに到着。ただ、すぐにチェックインするとここも24時間制を取っているから、予約している4日後の午前6時にチェック・アウトしなくちゃいけない。ところがフロント・スタッフは8時までなら滞在を延長してくれるという。このホテル、ブッキングサイトのagodaで予約したものの日付を変更するのにメールで対応してくれたホテルである。ふつうならキャンセル扱いになってキャンセル料を取られても仕方なかったのに。いろんな意味でホスピタリティが感じられて、ホッとして部屋に入ると倒れるようにしてベッドに入り、午後まで眠り込んだ。

2013年のわたしの幕開けは、インドの人々の心配りに助けられた2日間だった。
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by yukaashiya | 2013-01-02 01:34 | インド編


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