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ビザとピザ

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日曜朝、起きると時刻が変わっていた。サマータイムが終わり、日本との時差は8時間から9時間に変わった。

この週末は金曜からロンドン各地でもハロウィン・イヴェントが開催されていた。あちこちにあるナイトクラブには仮装した人とかフェイス・ペインティングした人も見受けられ、ただし日本の渋谷でのような大混雑するようなお祭り騒ぎは少なくともわたしは目にしなかった。

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例えば金曜は、ナショナルギャラリー前では本来のハロウィンの人形劇が上演されていたし、場内ではかぼちゃのカーヴィング・ワークショップとか、不気味な陰を伴ったデコレーションを顔に施すフェイス・ペインティング、あるいは悪魔を描いた絵画の特集であるとか、同ギャラリーのセインズブリー・ウイングでは絵画による悪魔伝説を語るコーナー、おどろおどろしいフォーク音楽など、あくまで文化・伝統としてのハロウィンを楽しむ趣向でイヴェントが催されていた。現在カラヴァッジョの展覧会が催されているのだが、そのカラヴァッジョの絵とセルフィーが撮れるコーナーもあったりして、芸術や文化に様々な角度から親しんでもらおうとする英国の姿勢が垣間見れた。

金曜は、セナーテ・ハウスにも行った。ここには歴史調査機関も入っており、そこが主催した「Little America: history and architecture of the US Embassy at Grosvenor Square」のレクチャーとフィルム上映会があったのだった。

ロンドンに暮らしていると、いかに英国と米国の繋がりが深くて強いものか肌で感じることができる。世界には200近くの国があるが、最も強い絆を持った国が英国と米国だろうと思われる。それは例えば、英国人の友人から聞いた話からも窺うことができる。

「(暗殺された)ケネディ大統領の埋葬された日は、学校が休校になったのを覚えているよ」

ついでに書いておくなら、この時の彼は義務教育年齢である。

その英国ロンドンにアメリカの大使館ができて200年以上が経つのだそうだ。最初はカンバーランド・プレイスにでき、現在は1960年からグロヴナー・スクエアにある。600以上の部屋があり、1000人近くの人がここで働いているという。来年、テムズ川を挟んだ南側に新しい建物が完成するそうで、それを前にこれまでの歴史を振り返ろうという趣旨。フィルムでは、屋根の部分に幅11mの白頭鷲(アメリカの国章に描かれている)が載った現在の建物について、あるいは米国がヴェトナム戦争に参戦した時のロンドン大使館前でのデモの様子や大戦時のエピソードなども混じえ、古くからの英国と米国の繋がりとその歴史を紐解いていた。ウインストン・チャーチルとルーズベルトの逸話なども盛り込まれており、英国らしく硬い内容だけじゃなくルーズベルトはチェーン・スモーカーだったことやチャーチルはしばしばシガーをくわえていたことなども披露されていたし、出演した職員や研究者たちの発言も笑えるシーンがかなりあった。面白いもので、硬い内容のものでもそこに笑いがあれば、記憶への刻まれ方が違ってくるように思う。この方法、日本の教育の現場でも取り入れたらどうだろう(先生の性格にもよるか)。

ちなみに、ニュー・ボンド・ストリートには、チャーチルとルーズベルトがベンチに腰掛けて愉快そうに談笑している像がある。第2次大戦終結から50周年を迎えた1995年、平和を記念して設置されたんだそうだ。タイトルは「Allies」。連合とか同盟国という意味も持つこの言葉には、「盟友」の意もある。

講演とフィルムによって、さらに感じた英国と米国の強い連繋。そして、やはり英国人のジョーク好き(笑)。講演に先立って挨拶したディレクターも、最初から笑わせてくれた。

「わたし(英国人)は(米国の)イェール大学に留学したことがあり、留学するためにビザの申請にアメリカ大使館へ出向きました。面接があるとのことでどんなことを聞かれるかと緊張していたのですが、聞かれたのはビザ(VISA)のことではなく、ピザ(Pizza)のことでした」
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by yukaashiya | 2016-10-31 08:24 | 英国生活編 | Comments(0)

備忘録

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(ロンドンのあちこちにある「スクエア(広場みたいなもの)」には、巨大チェスであそべるところもある)

ブログはサボろうと思えばいくらでもサボれますな(笑)。日々結構色々なことがあるが、あれ書こうこれ書こうと思いつつも最後に書いてからあっという間に3週間が過ぎ、何を書こうと思っていたかほとんど忘れてしまった(笑)。

そんな中でも印象に残っているのはやっぱ英国人はジョークが好きだということ。かなり硬い内容の講演会でさえそうだから、日常での彼らは推して知るべし(笑)。そんな日常だから、何かの調査で1日に最低でも1度は大笑いしていると答えていた英国人は、確か90%を超えていたと記憶している。

ほんの些細な場面でも・・・例えば昨日、例によってピアノを弾きに貸しスタジオがあるピアノ・ショップへ行った。いつも借りているのは1時間半で、料金は7.5ポンド(めちゃくちゃ良心的な値段なのであります)。10ポンド札をだすと男性スタッフは

「ああ、お釣りが要るね・・・・・欲しい?」

2.5ポンドを受け取った時に、「嬉しいっ♡」と返しておいた(笑)。

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(チェスよりもっと多いのは、卓球台。オフィスビル群の広場にある場合もある。英国人はピンポンがお好き?)


今回は、とりあえず備忘録として前回書いて以降に参加したイベントなどを記しておくので、下記は無視して下さい(笑)。

・コンウェイ・ホールでのクラシック・コンサート「Rhinegold Live」。特に若手ピアニストSamson Tsoyの弾くシューマンは素晴らしかった。きっと彼は著名な音楽家として名を残すようになるだろう。

・RSA(ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ)でのレクチャー。エッセイストによる「On Living in Dishonest Times」

・紳士クラブ「カールトン」での、ある紳士の90歳を祝う誕生日パーティにお呼ばれした。とてもアットホームなパーティで、90歳ながら挨拶でみんなを何度も笑わせていた「ブリティッシュネス」に乾杯!

・ロンドンのクイーン・メアリ大学(下記に写真あり)でのレクチャー「The Hennessy Lecture 2016」。 元国会議員で閣僚でもあったLord Hesetine:による「The forgotten people」。

・ヴァージン・マネー・ラウンジでのポップ・コンサート(前回書いた時とは別のラウンジで、今回はヘイマーケット街にある支店)。主演のRocco(女性)も良かったが、楽器を演奏していた1人のパリス(男性)も歌手らしく、彼の持つ音域の広さと変えられる声質に脱帽。

・RSA でのレクチャー「RSA Chairman's Lecture 2016」。Rt Honのタイトルを持つ政治家Ed Vaizey氏(キャメロン政権下にいた人)による「six lessons from six years as arts minister」。 かなり頭の切れる印象。とても面白かった。

・友人でデザイナーのイサツーの新作発表ファッション・ショー。今年はOXOで開催。昨年よりも、グンと腕をあげていることが窺えた。

・10月も毎週1回、ピアノの練習とだんす・スクールは欠かさず行った。紳士クラブへは上記に書いた以外にも2、3回ご招待いただいた。美術館へは今月は3、4回。もっと行かなくちゃ。


今年は富裕層の方にお会いする機会が結構あり、彼らの気さくさに驚いている。日本はお金持ちというだけでふんぞり返っている人が圧倒的に多いが(みんなとは言わない)、少なくともわたしがこれまで会った人々に全くそんな面は感じられない。それについてはまた別の機会に書くことにしよう。備忘録終わり。

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(ロンドン・セント・メアリ大学)
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by yukaashiya | 2016-10-28 23:25 | 英国生活編 | Comments(0)

ロンドンのワールド・ゾンビ・デイ -2

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ロンドンでのワールド・ゾンビ・デイは、イースト・ロンドンからウエスト・ロンドンまで行進された。その中間地点はレスター・スクエアで、映画館のオデオン始め、劇場などエンターテイメントを楽しむ地域である。元々はレスター伯爵の屋敷があった場所で、その後、中心の広場(レスター・スクエア)をその昔はぐるり囲んで貴族が住んでいたらしい(この辺りにアイザック・ニュートンも住んでいたそうだ)。それが19世紀になるとオペラやバレエを上演する劇場などの娯楽施設へとに移り変わっていった。過日ウエストミンスター地区住民のためのフリー・ツアーに参加下のだが、それら劇場などは昔は「紳士」たちだけが楽しむ場だったんだとか。

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「許さへんで、男たち〜」

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それにしても参加者たちの特殊メークは本当に上手かった。くわえて顔の彫りが日本人とは違って深いから、特殊メークが活かしやすいような気がする。ただしこの人たちは特殊メークだけでなく・・・

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背中に鎖を繋いで、引っ張りあっていたのである。

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見ているだけで痛そうだが、白いシャツを着ていた方の女性なんて笑っていたもんなあ(笑)。ちなみに見えている血もペイントされたもの。あんな鎖を体に引っ掛けても血って出ないんだとびっくりした。

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ゾンビたちはレスター・スクエアを出ると中華街を行進して行った。夜にはもっと参加者が増え、パブで明け方3時までパーティが開催さていたようである。

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(マックのキャラクター「ドナルド・マクドナルド」(ピエロ)のゾンビとそれを捕まえた人間とのやりとりの演出もあった。ちなみに、ハロウィンを前に米国で始まり英国やオーストラリアなどでも被害が広まっている「キラー・クラウン(Killer Clown/ 殺人ピエロ)」騒動。ピエロの姿をした殺人鬼の設定で、人を怖がらせる悪質ないたずらが起きている)
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by yukaashiya | 2016-10-16 05:41 | 英国生活編 | Comments(0)

ロンドンのワールド・ゾンビ・デイ -1

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先日の「ワールド・ゾンビ・デイ」イヴェントは、今年もロンドンでも行われた。英国らしく組織立てて開催されており、しかも参加者が払う参加料(£3程度)は義務ではないし、集められた資金はホームレスの人々の福祉に充てられるのだという。つまり慈善事業の一環なわけで、福祉先進国の英国らしさをそこに感じたものだ。

写真は結構撮ったので何回かに分けて掲載する。特殊メークはとてもレベルが高くて芸術的ですらあったことと、だからこそこういう「絵」が苦手な人は見ない方がいいかもしれないことをあらかじめ記しておこう。

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(隣に座っていた男の子がめちゃくちゃ可愛かった)

・・・to be continue...
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by yukaashiya | 2016-10-13 22:02 | 英国生活編 | Comments(0)

アフリカ人との待ち合わせ

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(ロンドン中華街にあるネイサン・ボーウィンのストリート・アート)

ストリート・アーティストと言うと、英国のバンクシーが世界的に有名だ。だがロンドンには、ネイサン・ボーウィンというやはり有名なストリート・アーティストがいる。ロンドンをベースに活躍しているようだが、出身がどの国なのかは定かでない。もしかすると、アフリカ系の人かもしれない。

アフリカといえば、隣人の英国人キースがたくさんのアフリカ系の友人を持っている(彼は他の国にも山ほど友人がいるが・笑)。ナイジェリア出身のオー二(女性)もその1人で、先日、キースがオー二とわたしを彼の家に招待して手料理を振舞ってくれた。彼が作ったのはビーフシチューとキャセロール。彼の手料理を初めて食べたが玄人はだしで、思わず唸ったほどすごく美味しかった。料理は母親仕込みかと聞くと、自ら料理本で学んだらしい。日本人男性の耳よ、痛くなれ(毎度の呼びかけ・笑)。

ちなみに、わたしはキャセロールは食べなかった。だって、何の肉を入れたのかと聞いたら、何と「バンビ」。バンビだと可哀想で牛なら可哀想じゃないというわけじゃないけれど、わたしには無理だった・・・そのスープは飲んだけど(笑)。

ああそれにしても、アフリカ系の人は必ずと言っていいほど遅れてくる。彼女の到着も2時間半遅れだった。2時間半だよ、2時間半! キースとわたしはおなかが空きすぎて、ワインを飲みながらわたしが持って行った生ハムを彼女が来る前に全部食べちゃった。

そういや昨年、シエラレオネ出身のイサツーのファッション・ショーに招かれて行った時、ショーは1時間半ほど遅れて始まったっけなあ。

アフリカ系の友人が多いだけにキースは待つことに慣れているようだけど、それでも「遅い」「はらぺこだ」「なんでアフリカ人はこうもみんな遅れてくるんだ」と、ちょっとイライラしていた風だった。彼によると、過日はナイジェリアのプリンセス(日本人が考えるところの王族ではない)の結婚式に招かれて行ったらしいが、概ね2時間遅れで始まったらしい。結婚式が・・・(笑)。

それを先日、社交クラブの「カールトン・クラブ」でアフリカ人のエリート・ビジネスマンに言うと、その男性は「それがふつうです」と、大笑いしていた。
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by yukaashiya | 2016-10-05 04:55 | 英国生活編 | Comments(0)

口は災いのもと

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(「ヴァージン・マネー」ロンドンのラウンジ)

英国には日本にないタイプの企業や職業があり、例えば日本では飛行機会社として知られているヴァージン社のグループ企業の1つに「ヴァージン・マネー」がある。この会社は日本で言うところの銀行ではなく、だけど定期預金や不動産ローン、クレジットカード、外貨送金や両替、個人年金、保険など、資産運用を請け負っている。そのラウンジが上の写真で、すんごくオシャレでしょう。ここで先日、数々のミュージカルに出演している歌手のコンサートが行われた。チャリティの一環で、入場そのものは無料。素晴らしい歌声に鳥肌が立ったし、彼女が共演したことがあるという歌舞伎役者の松本幸四郎さんのエピソードは面白かった。

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最近、リージェンツ・パークの近くにピアノが弾けるスタジオを見つけて、週に一回、通っている。ずっと弾きたくてたまらなかったから喜び勇んで行っているけれど、春に折った指はまだ完治しておらず、腫れがひどくなった。それでも動かすことはリハビリになっていいだろう(医者も勧めてた)。そんな昨今、相変わらずいろんなレクチャーなどにも顔を出している。今週はタワー・ブリッジの歴史を探る講演会や「十字軍戦士はタトゥーをしていたか」という興味をそそられるレクチャーにも行ってきた。後者は「Museum of the order of St John」であり、この写真がそれ。16世紀に建てられた趣のあるゲート・ハウスにこの博物館が入っており、まさに歴史を感じながら興味深い話を聞くことができた。

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もう一つ印象的だったのはブリティッシュ・アカデミーでの討論会で、人口原理について書かれた18世紀のエッセイをベースに行われた。このアカデミーの専門分野全体を通して影響を持っている歴史上の人物の生活と仕事についてもう一度考察してみようというシリーズの1つで、他の講演会なども含め、こうして英国人は機会を作って歴史を紐解き、後世に伝えていこうとする姿勢が感じられる。今年の、ロンドン大火から350年の記念イベント(めちゃくちやたくさんあった)もその1つで、良いことも悪いことも全部ひっくるめて行うから、なお好感が持てる。

昨夜はまた社交クラブのメンバーからお招きを受けて、長い歴史を持つ2つのクラブへ行ってきた。お会いしたのはメディア関係の方が多く、著名な記者や編集者、元国会議員、貴族の家系に育った女性、米国CIAのメンバーと推測される人まで、普通に暮らしているだけじゃ知り合えない人々との交流はとてもとても刺激的だった。

ただし、1つ大きな失敗を犯してしまった。

ふだん、相手の暮らしてきた背景を知らないうちはいかなる批判も口にしないでおこうと思っているのに、英国以外はどこの国に滞在しているのかと聞かれ「アメリカも?」と重ねて尋ねられた時、つい「アメリカには興味がない」と言ってしまった。あとで知ったのだが、その女性のご主人であり同席していた男性はかつて大学でアメリカの歴史を教えていた人だった・・・・・。
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by yukaashiya | 2016-10-02 02:35 | 英国生活編 | Comments(0)