<   2014年 05月 ( 27 )   > この月の画像一覧

幸せな一日

a0262689_7384190.jpg
(花々が鮮やかに咲き誇るフォルクス庭園)

木曜日は終日の雨。「陽射しの強い夏(上の写真は日曜日)」から「雨の降り続ける冷え込んだ冬」に舞い戻ったウイーンで、火曜の夜あたりから微熱が出始めしんどい日が続いていた。ところが木曜は昼も夜も約束があり、しかも夜9時からはウィーン・フィルハーモニー・オーケストラのイベントがある。ここは「得意の荒療治」をするしかない。高熱になりそうな気配はなかったので出かけて外の新鮮な空気を吸い、「突破」するのである。

まずお昼に出かけて友人とランチをし、おしゃべりを一杯して少し元気を回復。いったん家へ戻ると、家主のマックスが心配して室温を気にしてくれたりハーブティや体が温もりそうなものを勧めてくれる。一人暮らしが長いので、日常の中でのそうした気配りはそれだけで心を温めてくれる。

そして夜、知人からご紹介いただいたウイーン在住の日本人記者の方とお会いした。待ち合わせの場所まで歩くと30分程度かかるので地下鉄に乗ることも考えたが、汗をかけることを望みつつ歩くことを決行。わたしの「微熱が何日も続く時」はこうして頃合いを見計らって少々の無理をすることによって汗を放出して治せる場合があるからだ。

そしてその判断がちょうどいい日だったようでうまく適度な汗をかけたし、何よりもお会いした方のお話がおもしろく、その世界に引込まれてしまった。その方はウクライナでの取材から戻ってきたばかりで、ウクライナでの話はもちろんキエフやモルドバ、それからロシアについてなどふだん知り得ないような逸話がたくさん聞けて、精神的にも脳にもすごくいい刺激を受け、しかも美味しい食事をご馳走になって帰宅した。

雨が降り続いていたのでコンサートは中止されただろうと思って帰宅したのだが、家主のマックスが「これぐらいの雨ならきっと開催しているよ」とのこと。テレビを点けるとその通りで、「タクシーで行けばいまからでもそれなりの時間を愉しめると思うけど、体調を考えたらテレビで観たほうがいいよ」と言ってくれたし外は雨が降っていたので彼の勧めに従ってそのままテレビで愉しむことにした。

シェーンブルン宮殿でのそのコンサートは誰でも参加できる無料のもので、イギリス・ロンドンもそうだがオーストリア・ウイーンもこうして市民が芸術に、しかも世界でトップクラスの演奏を何の垣根もなく誰もが愉しめる場を無償で提供する。しかも、歴史と伝統のある場所で、歴史と伝統のあるものを提供する。そういう国や市の姿勢に感心するし、演奏はテレビでさえその素晴らしさが伝わってくるものだったし、カメラワークも1つのアートとして見せてくれるくれるものだった(欧州の映像は本当に美しい)。オケの演奏はヨハン・シュトラウスのポルカで締めくくられ、会場に詰めかけた人々の中には演奏に乗ってダンスを愉しんでいる人たちもけっこういてテレビに映し出されていた。

幸せだなあ。

テレビでとはいえ1年に1度のこの大きなイベントをライヴで観られたわたし自身、自分に対しても感じたことだが、ウイーンの人々の暮らしの中における幸福度に思いを馳せたからだった。マックスにそれを言うと、にこやかに微笑んで頷いた。

「うん、僕らはウイーンが大好きだよ」

a0262689_8101648.jpg
(テレビ画面を撮影したもの/中央がイベント舞台で、奥に赤くライトアップされているのはグロリエッテ。手前に広がっているのは花々で装飾された見事な庭園)
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-31 08:21 | ウイーン生活編 | Comments(0)

オトコ心と欧州の空

a0262689_734743.jpg
女心と秋の空なんてことわざが日本にはあるが、欧州の空はそれと同じように変わりやすい。ウイーンもそうで、日本の感覚なら今日は絶対に雨は降らないと思うような空でも、にわかに曇って雨が降ることがある。それだけならいいが、先週は夏のように暑かったのに今週はまた冷え込んで、まるで冬に戻ったかのようだ。せっかくクリーニングに出したコートをまた引っぱり出した。

上の写真は先週、ウイーンっ子たちが水泳まで愉しむらしい旧ドナウ河で撮ったもの。ボートやヨットも出ていたし、人々が水着を着て日光浴を愉しむさまはまるで海水浴場のようだった。こういう場所が都心から地下鉄で5、6駅の場所にあるのだから(U1線 Alte Donau駅近く)、ウイーンっ子たちは幸せである。

おっと、タイトルは間違って書いたものではないことを記しておく。女心と秋の空は、本当は「男心と秋の空」が正しいんですからね。変わりやすいのは女心ではなく、男心なのであります(えっへん)。

a0262689_7414922.jpg

[PR]
by yukaashiya | 2014-05-29 07:47 | ウイーン生活編 | Comments(2)

オペラ“立ち見デビュー”

a0262689_62367.jpg
(オーストリア・ハンガリー帝国時代の1869年、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」でこけら落としが行われた国立オペラ座)

ウイーンに来てから2度、国立オペラ劇場へオペラを観に行った。20数年前に来た時は奮発してボックス席を取ってもらい、それも最も高額な中心部に近い最前列を取ってもらったのだが、今回調べると当時の倍以上の値段がしていたのでおっかなびっくりしてまずは中ぐらいの価格のバルコニー席で観ることにした。

料金はもちろん上演される劇やメンバーによっても価格帯が違い、次に観に行ったヴェルディの「ラ・トラヴィアータ(日本語名「椿姫」)」でいうと、先に記した中心に近いボックスの最前列だと€197(約27600円)、バルコニー席は場所によって€32〜128。バルコニー席には€12というのもあったがこの価格の席ではおそらく舞台が見えないだろうと推測される(笑)。

どの席にしようかと考えた時、ふと「立ち見」席があるのをを思い出した。20数年前に来た時に知ったもので、学生などお金をあまり持っていないがそれでも音楽や舞台を愉しみたい人たちのために、立ち見席はある。パンフレットによると「立ち見回数券」まであるらしく、1年間を1シーズンとして50回分立綴り。それは本来€150するものだが現在は公式に€80で販売されているという。1回あたり€1.6やん。日本円にしたら、約220円ですよ。街中のカフェでカプチーノを飲むより安い。こうして欧州は、若者や貧しい人々にも芸術に触れるさまざまな機会を与えているのだ。

そうだ、わたしも立ち見席を経験してみよう、そう思った。立ち見席を体験してみたいという気持ちからと、立ち見はきっとしんどいだろうけどそこに来ているであろう苦学生たちと一緒に観てみたいという気持ちと、そして半端なく安い金額に魅かれたのもある(笑)。なにしろ、1回€3〜4なのだ。

a0262689_635848.jpg
立ち見券は、上演時刻の80分前から発売されるとパンフレットに書いてあった。それで劇場に1時間半前に着いてみると、すでに長蛇の列。チケットを手に入れられたのはその40分ぐらいあとで、すでに足は棒状態(笑)。でもダッシュで近場のレストランへ行って晩ご飯を済ませ、劇場へ戻って立ち見席に行った。この写真は、立ち見席からの風景である。

立ち見席の客層は・・・想像していたのとはあまりにも違い過ぎた。半分以上が外国からの旅行客とおぼしき人々で、日本人も若い人からお年寄りまでざっと見ただけでも20人以上いた。年輩の方はほとんどが幕間の休憩時間中に帰ってしまった(笑)。と文字では笑っているけど、すごくしんどかった。実質的な上映時間は2時間半だけどその前後の時間やチケット取得に並んだ時間を合わせると合計して4時間近くをジッと立っていたわけで、しかも年代ものの劇場だからクーラーというものがなくすごく暑い(これはどの国の劇場でも歴史ある建物での共通の悩み)。とてもいい舞台だったので観た充実感はあったものの、わたしには立ち見はもう2度とできないと悟った。

自分の年齢を、あらためて悟るとともに(笑)。

*旅情報ブログ「QUE SERA SERA」に立ち見チケットなどの攻略(?)法をアップしました。
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-28 06:43 | ウイーン生活編 | Comments(0)

これって、罪・・・?

a0262689_5471063.jpg
(ウイーンのシンボルの1つ「シュテファン寺院」)

先週は、オバシャツを着てタートルセーター、セーター、そしてコートを重ね、タイツと厚めの靴下を履いて内側にボアのついたブーツで外を歩いていた。それぐらい寒かった。

ところが今週は一気に天気が良くなり、半袖でも欧州の陽射しの強さをまざまざと感じるぐらい。日本のような湿気がないので木陰に入れば涼しいが、手首にはあっという間に腕時計の跡がついたほどの陽気だった。

ウイーンは冬から夏へ、そんな感じである。

そんな今日、気づいたことがある。地下鉄の切符を間違えて買っていたのだ。

地下鉄の切符の自動販売機(タッチパネル式)は英語での表示ができる。表示すると、実にいろんな種類の切符が提示される。1日乗り放題とか48時間乗り放題とか1週間乗り放題とか、いろいろあるのである。わたしは初めて買った時「single fare」という文字を最上段に見つけて、すんなりとそれを買っていた。ふつうなら、正しい選択のはずだ。

ところが今日、その「single fare」の文字の下に「concession」と書いてあるのが目に飛び込んできた。いままで全く見ていなかったのだが(それもどうかと思うが)、今日はそのボタンの横に描いてある人と犬の絵がこれまた突然気になったからだった。

げげっ・・・これ、子供と犬用のチケットじゃん。

€1.1(約150円)って、ずいぶん安いなあと思ってはいたのよ。

これまで7、8回は地下鉄に乗っている。

つまりずっと、子供用と犬用の切符で。大人用の半額の切符で。

これって、罪に問われるのかなあ・・・。

a0262689_6102322.jpg
(シュテファン寺院の裏手にある「歯痛のイエス」像。イエス「歯が痛くてそれどころじゃないわい」)
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-26 06:14 | ウイーン生活編 | Comments(2)

ウイーンの美術館のおもしろさ

a0262689_5132939.jpg
(ベルヴェデーレ宮殿の上宮)

ウイーンの美術館、博物館を回るうちに、その優れた要素に気がついた。ハイドンの家にしてもベルヴェデーレ宮殿にしてもアルベルティーナ美術館にしても、展示品はもちろんだが、キャプションがたまらないのだ。

a0262689_5152256.jpg
(下宮側から見たベルヴェデーレ宮殿の上宮)

たとえばハイドンの家の場合、ハイドンの生まれ育った環境から音楽家として成功するまでの道程、当時のウイーンの様子、ウイーンの家での訪問者や召使いたちとの交流、そして彼の最期まで、それらを辿りながら展示品を見て回れるのだ。

クリムトの「接吻」がハイライトのベルヴェデーレ宮殿の場合は、ウイーンの街や欧州やオーストリアにおける美術史の変遷の説明があり、それと共に当時の街や人々の暮らしが描かれた1800年代や1900年代などの絵が見られるというわけ。この宮殿に皇帝が暮らしていた時代の見学できる部屋にはそれぞれ「こんなふうに使われていた」とか「こんな壁紙が貼られていた」「こんな家具が置いてあり、この部屋は○○に使われていた」とかそういうキャプションも当時の絵とともにある。その頃の時代にグングン入り込みながら見て回れるんである。

a0262689_5244177.jpg
アルベルティーナ美術館だと、アルベルト公とマリア・クリスティーナ王女の出逢いから始まる。アルベルトはポーランド王と神聖ローマ帝国皇帝の娘である母の息子だが、いかんせん6男坊。政略結婚で領土を広げていったハプスブルク家としては、ましてマリア・テレジアが最も可愛がったクリスティーナの婿にするとしたら、本来ならもっと「立場」の「高い」男性との結婚をさせたかったはず。だがマリア・テレジアは2人の結婚を認めただけでなくたくさんの贈り物をし、盛大に祝ってやった。そうしたことから始まって、アルベルトたちの美術品をコレクションするきっかけやその流れ、2人の人生も部屋を追っていくごとに知ることができる。

アルベルティーナ・・・アルベルトとクリスティーナを2人1つにした名前じゃないか。なんてロマンチック。彼らの人生のキャプションもあるのは2階(日本式の3階)で、ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ルーベンス、1階にはピカソやモディリアニ、シャガール、ムンクの風景画やモネ、エドガー・ドガ、ルノワール、クリムトなどの画も展示されている。

ウイーンの美術館・・・これほどその世界と時代に入り込み融け込みながら絵画を愉しめるところは、世界広しといえどもそう多くはないだろう。

キャプションを丁寧に読んで回っていると、時間がかかるけど(英文だからなおさらで、わたしのレベルでは日本語を読むようなわけにはいかないのだ)。

その分、足もメチャ疲れるけど(笑)。

いつもどこでも閉館ぎりぎりまでいて、追い出されているわたしだけど(笑)。

そうそう、アルベルティーナ美術館で3時間で回りきれなかった時、近くにいたスタッフに少しばかり恨めしそうに語りかけてみた。

「3時間いたけど、とても回りきれないわ」
「また後日、戻ってきて下さい」
「えっ・・・戻って来ていいの」
「ええ、もちろんです。今日のチケットは今日限りですけれど」

・・・そりゃそうでしょうよ。

a0262689_5404045.jpg

[PR]
by yukaashiya | 2014-05-25 05:53 | ウイーン生活編 | Comments(0)

墓地という名の美術館 / ウイーン編

a0262689_6525198.jpg
欧州の墓地には美術館に分類してもいいとさえ思えるほどの墓地があり、ウイーンの「中央墓地(Central Cemetary/ Zentral Friedhof)」もその1つ。ここは1874年に市内にあった5つの墓地を集めて造られたそうで、敷地は240ヘクタールもある。そしてここにはウイーンゆかりの音楽家たちも眠っているのだ。この写真は、ベートーヴェンの墓である。現代のドイツで生まれ育った彼だったが、ハイドンに弟子入りしてウイーンで活躍したのだった。

a0262689_658632.jpg
ベートーヴェンの墓があるのは「32A」エリアで、クラシック好きにはたまらない地区だ。なにしろ・・・

a0262689_701747.jpg
ヨハン・シュトラウス(父)

a0262689_71111.jpg
その息子で「美しく青きドナウ」を作曲したヨハン・シュトラウス二世の墓もある。

a0262689_73207.jpg
ブラームス

a0262689_735931.jpg
シューベルト

そしてそして・・・
a0262689_743031.jpg
シューベルトやベートーヴェンに見つめられるようにして建っているのは、モーツァルトの記念碑。

モーツァルトは亡くなった時点で現在のような地位は確立されておらず、一般市民と同じ「ザンクト・マルクス(Friedhof St. Marx)墓地」という共同墓地に埋葬された。そのために正確な墓の位置は分からないらしい。それで記念碑がこの32Aという「栄誉地区」に建てられたというわけだ。

シューベルトはベートーヴェンを尊敬していたし、ベートーヴェンはシューベルトの才能を買っていたし、ベートーヴェンはモーツァルトに憧れの念を抱いていた。墓の位置にも、物語が見えてきそうである。

栄誉地区ではないものの、「0地区」にも音楽家の墓がある。

a0262689_7115917.jpg
練習曲でお馴染みのツェルニーの墓

a0262689_7123221.jpg
そしてこちらは、サリエリの墓である。サリエリとモーツァルトはライバル関係にあり、もしお墓と記念碑が隣に並んでいたらあの世でもゆっくり眠れないだろうなあなどと、勝手な想像を巡らせてみる。

a0262689_7133274.jpg
この墓地の中心にはカール・ルエーガー教会が建っており、その裏手にある並木道は映画「第三の男」のラスト・シーンに使われたそうだ。

*この中央墓地の、ほかの芸術的なお墓の数々と墓地への行き方は旅情報ブログ「Que Sera Sera」のほうにアップしました。
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-24 07:21 | ウイーン生活編 | Comments(0)

音楽の“静”と“動”

a0262689_635154.jpg
(女帝マリア・テレジアがこよなく愛したシェーンブルン宮殿/グロリエッテの丘より)

家主のマックスが招待してくれたシェーンブルン宮殿オランジェリーでのコンサートは素晴らしかった。第一部はモーツァルト、第二部はヨハン・シュトラウスの曲で、演奏レベルはもちろんのことだが、楽曲あり、歌劇の曲あり、歌曲、ワルツとバラエティに富んでいて、しかも歌劇の曲なら歌い手が登場して劇さながらに演技を入れつつ歌い、ワルツはバレエを踊るという、コンサートというよりショーといったほうがいいくらいのエンターテイメントだった。こういうタイプのショーは、生まれて初めて観た。

a0262689_6242162.jpg
モーツァルトが演奏したことのある場所で、ハプスブルク家の代々の皇帝も音楽を愉しんだことがあるかもしれないこのオランジェリーで演奏を聴きながら、はたと思い至ったことがあった。それは、欧州の皇帝や王・女王たちは戦時も含めて壮大な楽曲だったり気持ちを鼓舞させるような音楽だったり陽気なワルツだったりといったものを宮殿などで楽しんでいたわけで、じゃあ日本は同じような時代にどうだったのかということだ。

日本の伝統的な楽器というと、三味線や琴、笛、尺八などで、太鼓や鼓はあったにせよ、それらによる演奏によってたとえば自然に体が揺れたり、踊ったりということはおそらくなかっただろう。ただ静かに音に耳を傾ける。それはそれでわたし個人も好きな“世界”であるものの、いつもいつも「静」ばかりで気持ちが高揚してくるようなものがなければ、音楽による刺激というものもなかったのではあるまいか。

表情豊かに感情を表に出す欧州人と、感情を表に出さないことが美徳とされている日本人との違いが、音楽の歴史にも表れているような、コンサートを聴きながらそんな気がじわじわと心の内を占めていった。

a0262689_6363136.jpg

[PR]
by yukaashiya | 2014-05-23 06:40 | ウイーン生活編 | Comments(6)

キャリア

a0262689_1935873.jpg
(シェーンブルン宮殿の庭園の丘にある「グロリエッテ」。マリア・テレジアが、1757年のプロシア戦での勝利を祝い、戦没者の霊を慰めるために建設した)

水曜は夕方からシェーンブルン宮殿へ行った。宮殿そのものは20数年前にウイーンへ来た時見学しているので、今回は庭園を中心に散策、最大の目的は宮殿のオランジェリーで行われるクラシック・コンサートだ。

その建物「オランジェリー」では、かのモーツァルトも演奏したことがあるという。サリエリとコンペをしたそうだが、そんな会場でコンサートを愉しめるなんて思いも寄らなかった。ウイーンは音楽の都というだけあって毎日あちこちでオペラやコンサートが行われていて、たとえばウイーン・フィル・ハーモニーのような著名なものならレベルの見当がつくが、それ以外はどれがいいのやらさっぱり分からない。そんな話をしていると、家主のマックスが「僕が仕事しているコンサートに来たらいいよ」と招待してくれたのだった。

マックスは建築学を学ぶ大学生だが、この宮殿でのコンサートのマネージャーの1人として仕事してもいるという。行ってびっくり。観客の対応から司会までこなしていたからだ。まず挨拶では観客にフランス人や日本人もけっこう来ていたからといってそれぞれの国の言葉での挨拶を挟み、あとはドイツ語と英語でカメラ撮影や録音の禁止などを告げたあと「その代わり、あなたの目と耳と、そして心に刻み込んでいって下さい」と洒落たことを言っていた。やるじゃーん。

宮殿で働いている時の彼の身のこなしはまるで貴公子。彼はまた、俳優としての仕事も持っている。先日はオーストリアの伝統的な衣装を身につけて撮影に出かけて行った。コマーシャルへの出演という言い方をしていたが4〜5分のフィルムだといっていたので、おそらくプロモーションビデオか何かではないかと思われる。それがフランスで流れるのだそうだ。

彼は「アルバイト」という言葉を使わず「仕事」だと言い切る。学んでいることも俳優業もコンサート会場での司会もマネージングも全てバイトではなく「仕事」。欧米では学生時代のアルバイトや福祉活動もキャリアの1つとして認められることがけっこうあると聞くが、働く本人たちもたとえ学生であってもプロフェッショナルとしての意識を持ちながらそれぞれの仕事を務めているのだろう。そしてだからこそ、その積み重ねが「キャリア」と言えるものになっていく。

そしてもう1つ、これはイギリス・ロンドンにも言えることだが、若者にチャンスを与えるしくみが社会にあることを感じている。

a0262689_19191853.jpg
(建てられている戦士の像には何種類もの剣もあり、兵士たちの勇猛果敢さを思わせる)
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-22 19:27 | ウイーン生活編 | Comments(0)

ウイーン たばこ事情

a0262689_6512498.jpg
家主のマックスによると、オーストリアでは喫煙者人口がとても多いそうだ。それを裏付けるかのように、街中のゴミ箱には必ず灰皿がついているし、ビルや博物館なども出たところに灰皿が設置されているところがとても多い。

a0262689_703825.jpg
いくつかの形があるが、このゴミ箱にしか見えないタイプも実は灰皿付き。右手に見える煙突のような形をした部分が灰皿なのだ。

カフェやカジュアルなレストランではテラス席を併設しているところが多くてそこでは当然喫煙できるし、分煙しているお店もある。試しに入ってみたカフェ・レストランでは、喫煙エリアのほうが禁煙エリアの3倍ぐらいのスペースがあった。それも、日本の分煙カフェで見るような店の奥に喫煙エリアがあるのではなく、奥にこじんまりとあるエリアが禁煙エリアなのである(笑)。

a0262689_6571572.jpg
(観光客で賑わっているケルントナー通り)

値段は日本より少し高めで、世界中にあると思われるマルボロで、€4.7〜€4.9。わたしの吸っているウインストンは€4.1。ウイーンではウインストン0.1mgがある。なお、ローリング・シガレットは日本の半額ぐらいで買える(€4.5〜€7ぐらい)。

a0262689_72015.jpg


わたしが滞在している家でも当然のように喫煙OK。マックス自身は15歳から吸い始めて3年前にヤメたらしいがご両親共に喫煙者だといい、わたしが彼の家に到着した日、なぜか2つも灰皿を手渡してくれた。おそらくデスク用とテーブル用ということだろう。

翌日になって、マックスが言った。

「灰皿は他にもいろんな形のがあるんだよ。いくつでも、必要なだけ言ってね」

1つでいいっす。
[PR]
by yukaashiya | 2014-05-21 07:07 | ウイーン生活編 | Comments(1)

そこに意図を考える

a0262689_6541265.jpg
わたしは子供の頃から、想像を巡らせる「癖」がある。何かを見た時、何かを知った時、何かを聞いた時に、自分の心に何か届くものがあったり引っかかりを覚えることがあったり、何かしら興味を引かれることがあったりすると、それについて調べたり突き詰めて考えたりすることもあるが、「想像することを愉しむ癖」があるのだ。

a0262689_6584137.jpg
これは「アルベルティーナ美術館」の前にある彫刻。見事な美しさに魅かれて近寄って行った・・・ため息をつきながら見上げ、全体を観察しているうちに、ふと気になることがあった。子供の彫刻部分である。

a0262689_6593964.jpg
「そんなところ」が気になったのは、おそらくわたしだけ。だけど興味を引かれたら、もう自分を止められない。

きっと、彫刻家の悪戯心が「そこ」にあったに違いない。その彫刻家がにんまりとしている表情までわたしの脳は想像を始める。その彫刻家を、わたしは知らないけれど(笑)。

a0262689_714156.jpg

[PR]
by yukaashiya | 2014-05-20 07:03 | ウイーン生活編 | Comments(0)