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2ヶ月のバリでの生活に終止符

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パリでの生活はたった2ヶ月だったけど、何度も書くように街はゴミと落書きだらけ、道はつぎはぎだらけ。花の街という昔からの呼称はあるがそんな美しさは微塵もなく、モードのパリとこれまた昔からいうけれどお洒落な人も滅多に見ない。ただルーヴル美術館の壮大さとセーヌ川沿いの麗しさだけがこの旧い街を評価の高いものにしている。ソフィのような底意地の悪い人もかなり多いらしい。ただ、それでは毎日毎日イヤな思いを過ごしていたかというと、親切な人や愉快な人々にもたくさん出会ってきた。

これまで旅してきたなかで、たとえばアメリカなら「洗練」、イギリスなら「品」、イタリアなら「粋」といったことを感じてきたが、パリは欧州の「田舎者」。といっては田舎の人に失礼かと思うぐらい、マナーもない。ただ、田舎の人ならではの優しさみたいなものを感じられた人がけっこういた。

たとえばある日、街を歩いていて後ろから声をかけられた。ガイドブックを持って行っていなかったわたしは日本人に見せてもらって行きたいところだけを紙に書き写していたのだが、それをバッグから落としたらしい。紙1枚。それをわざわざ拾って追いかけてきてくれた人がいた。

またある日。たまに行っていた小さなスーパーで、じゃがいもやニンジン一つの重さを感知しなかった電子秤機に対してレジの黒人は「something happen」と笑って一つあたり€0.1(約10円)にしてくれた、なんてこともあった。

締めくくりは、シャルル・ド・ゴール空港近くのホテルで過ごした3日間、ホテルスタッフにすごく親切でフレンドリーな人がいて楽しいひとときを過ごさせてもらった。そのホテルへはソフィの家からタクシーで行ったのだが陽気な運転手で車中でも楽しかったし、乗車前に交渉した€40(パリで大回りされたことがあったため)に対してホテルに到着した時のメーターは€39.9。運転手もわたしも大笑いしてがっつり握手してサヨナラした。

さらば、パリ。必要性が生じない限り、もう二度と来ることはないだろう。

おっと、書くのを忘れていたが、ソフィはもちろん「砂糖」にしてからパリを発った。

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by yukaashiya | 2012-11-29 12:52 | フランス生活編 | Comments(0)

「フランスで生きていくには、フランス人になるしかない」

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ソフィの家に暮らし出して最初に「あれっ・・・」と思ったのは、3日目ぐらいのことだった。

専用と聞いていたバスルームは実際には末息子やほかの同居人との共有。それでも過去、短期間だけだがイギリスでこういう居候暮らしをしたことがあるわたしは、自分用のシャンプーやリンス、基礎化粧品、タオルをその時に倣ってバスルームに置いた。スペースは十分にあったし、自分の部屋に置くものでもないと思った。

ところがある日、外出から帰ってくると、基礎化粧品や歯ブラシ等を入れておいたボックスが下にバラバラになって落ちていた。洗面台の上にある棚に置いていたもので、重さの軽いものしか入れていなかったし、バランス良く置いていたし、ボックスと棚の大きさからいうと落ちるはずがなかったものだった。

「置いておくなということか」そう考えた。でももしそうなら口で言えばいいじゃないか。なんていやらしい・・・いや、きっと猫だ。猫のマオがイタズラしたに違いない。わたしはそう思うようにして、それでもそれらを自分の部屋へ置くことにした。

その1ヶ月後ぐらいだったか、マオは洗面台より高さの低いスーツケースにさえ飛び上がれないことを知った。


ソフィの家での滞在が残り2週間ぐらいになった時のこと。洗濯が終わった頃を見計らって洗濯室へ行くと、床中が水浸しになっている。ソフィ夫妻は外出中。わたしは大慌てでモップで床を拭き出したが、間に合わない。それで自分のバスタオルを持ってきてそれで床を拭いた。そうしているうちに彼らが帰ってきて、ソフィは慣れている様子で「わたしがする」といってわたしの手からバスタオルを取って床を拭き出した。

水漏れの原因は、ホースが蛇口からはずれていたせいだった。ソフィはわたしにバスタオルは洗って返すという。床を拭いたことがあるもので体を拭くほどわたしは無神経ではない。捨ててしまってくれてかまわないと言った。彼女は「洗えばいいのに」と返してきただけで、ありがとうともごめんねとも言わず、もちろん買って返すということも思いつきもしなかったようだ。


あと数日で帰るという日、わたしは彼女に「洗濯機を使いたい」と言った。10日間ほどずっと洗濯機には彼らの洗濯物が入りっぱしで使えなかったのだ。わたしはほとんどを手洗いしていたが、ジーンズなどは手で絞るのは無理だからそういうものが溜まっていた。それで言ったのだったが、彼女は「今日はダメ。わたしが使うから、あなたは明日にして」という。彼女はその日、洗濯機を回し、洗い上がりのブザーを聞いてから出かけて行った。それを出してくれさえすれば、わたしはその日、洗濯ができたのに。

翌日、わたしは洗濯機を使った。洗剤と柔軟剤をたっぷり入れて、洗濯機が回り出し水が洗濯機に投入されたのを確認してから洗濯室を出る。終わった頃を見計らって洗濯室へ行った。思った通り洗濯は終わっていて、電源が切られ、ふたがあいていた。ふたが開いていたのは手前にあるキッチンにずっといたソフィが開けたのだろう。ふたがしまったままだと洗濯物は臭くなる。

ただ、洗濯機から洗濯ものを取り出している時に、ひとつのことに気がついた。洗濯物は湿っているものの、洗濯ものから洗剤の匂いがしない。全くしない。柔軟剤の香りもこれっぽちもしない。そんなことはこれまで一度も経験したことがない。

洗剤を入れるボックスは空になっていたので、洗剤は確実に中へ投入されている。なのに洗濯ものから洗剤や柔軟剤の匂いがしない理由、それはひとつしか考えられない。洗濯機をいったん止めて設定を解除されたのだ。水洗いに変えたのか、それともそれさえされていないのか。わたしはもう諦めの境地でそこから引き上げた。

ソフィの家ではこれら以外にもいろんなことがあった。そのたびにわたしはそれらを「ゴミ箱に」入れて「ふた」を閉めてきた。

パリで行った美容院のオーナーはフランス人だが「stupid」という言葉を使ってフランス人を表現していた。

パリに暮らして20年というブティックの香港人オーナーは「日本はパリと同じように物価が高い。だけど日本ではサービスが付加価値としてついてくる。フランスではそれがない」と残念そうにつぶやいていた。

彼はこうも言った。

「フランス人はとてもrude。でも、ここで暮らして行くには、自分もフランス人になるしかないんです」


rudeとは、無礼、無作法、無教養という意味である。

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by yukaashiya | 2012-11-28 21:38 | フランス生活編 | Comments(0)

パリジャンの底意地の悪さ

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アンチ・フランス人だったわたしがパリに来て2ヶ月。ソフィの家の契約期間が過ぎて、昨日からホテルに滞在中。開放感に浸っている。

アンチ・フランス人だったのは、これまで訪れた25カ国で出会った人々のなかで、フランス人が突出して印象が悪かったからである。これはわたしに限ったことではないはずだ。鼻持ちならない、およそ礼儀知らず、それがパリに来るまでフランス人に対して持っていた印象だった。

ところがパリに暮らし始めてみると、少なくとも道を尋ねるぶんにはほとんどの人がとても感じがいい。親切丁寧に教えてくれた人も少なくない。買い物をしていても、たまたまだったのか愛想のいい店員が多かった。自分の中でどんどん「アンチ」の三文字が溶けていくのが感じられた。それはわたし自身にとって、とても心地の良いことだった。

ただ、フランスで長く暮らしている日本人やその友人たちからはこう聞いていた。

「フランス人は、底意地が悪い」

だから気をつけようとは思っていたけど、自分の中で「アンチ」が消えていくほうが暮らすには気持ち良かったため、無意識のうちにそうした助言を頭の中から消していた。いま思えば、絶えず身構えて生きているより、周囲の人々を信頼して暮らしたほうが穏やかに過ごせるからだろう。


家主のソフィが「底意地が悪い」代表かどうかは、いまも分からない。また、フランス人全員が彼女と同じだとも思っていない。ただ、これからフランスで生活する予定のある人の参考になればと思い、わたしが実際に体験したことをしたためておこうと思う。


そもそもは、エージェントのインフォメーションそのものが実際とはほとんど違っていた。

・ダブルベッド → 実際にはシングル。日本のシングルサイズより小さく、寝台車ぐらいののベッドサイズ。欧州ではよく見かける、寝返りがほとんど打てない幅。
・専用バスルーム → 実際には、末の息子との共同。ほかに宿泊者が出れば、その人も使う。
・自由に使えるキッチン → 実際には、ランチタイムと、夜は7時半以降10時頃まで使えない。
・自由に使えるテラス → 実際には家主夫妻の部屋を通らなければ使えず、従ってほとんど使えない。
・家主夫妻は仕事を持っているので昼間は自分一人しかおらず、のんびり気楽に過ごせる → 実際にはソフィは定年退職していて家にいることが多く、あれこれ干渉してくる。
・洗濯機 → ほとんど洗濯ものが入りっぱなしで(洗う前のものも洗ったあとのものも)、都合のいい時に使えない。けっきょく、ほとんど手洗いし、手はがさがさに。 

到着日を含め1週間以内にはこれらのほとんどが判明していたのだから、その時点でエージェントにクレームを出すかほかの家に変えてもらうべきだった。だが1週間だけ滞在が重なった、この家に3ヶ月暮らしていた日本人女性が「ソフィは遅く帰っても何も言わないから気楽」と言ったので、「気楽なのは一番だなあ」と思い、2ヶ月という短期ということもあって「まあいっか」で過ごそうとしてしまった。

あとになって考えてみれば、その日本人女性は美容院で働いていて、朝出て行き帰ってくるのは夜遅く。帰宅後に晩ご飯を家で食べる時はいつもパンにサラミを挟むだけ。つまりキッチンをほとんど使わないし、家にいることがない。その人の生活に対するソフィの対応を自分にもあてはめてしまったのが大きな間違いだった。


ソフィはとにかく干渉する。タバコ一つとってもそうだった。

タバコは残り香でさえ嫌いな人がいるから、エージェントには事前に何度も確認した。エージェントはそのたびに「全く問題ない。僕はソフィを長いあいだ知っているから信じてくれ。テラスにも自由に行き来できる」そう言い切った。ところが実際にはソフィ夫妻の部屋を通らなければテラスへ行けず、夜はさすがに遠慮したものの、最初の1週間ぐらいは朝と昼に1回ずつぐらいテラスへ吸いに行った。

そのたびに彼女は言った「吸い過ぎよ」。

ある時は顔をしかめ、しかもタバコの匂いを追い払うかのように、顔の前で手をひらひらさせた。

それほどタバコが嫌いな人はいるだろう。それはしょうがない。だから家を借りる前にしつこいぐらい確認した。


だけど、ソフィは自分もタバコを吸う。

しかも、家の中で。



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最も最初にびっくりしたことは、滞在3日目に起きていた。
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by yukaashiya | 2012-11-26 23:45 | フランス生活編 | Comments(5)

スリにご用心

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(通りすがりにあった教会)

パリには毎年、2900万人の観光客が訪れるという。こんな寒い時期になっても多いから、その数字にも頷けるところ。

ただ、来る人はスリにはおおいに気をつけたほうがいい。フランスに限らずイギリスでもイタリアでも多いが、特に日本人はお金を持っていると思われているし、体格が小さいから万が一の時でも犯人は逃げ果せる可能性が高く、狙われやすい。知人はある日、パリの街で友人女性2人を案内していたところ、同じ日に2人ともが財布をすられたらしい。

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携帯電話(特にスマートフォン)もその対象になりやすい。特に日本人は公衆の面前でよく使い、カフェやレストランでテーブルの上に置いていたりするからあれは「わたしは持ってますよ」と宣伝しているようなものらしい。こちらの人たちは歩きながら電話している人でもほとんどが内ポケットに入れたままイヤホンで話している。すられる数は、日本人で届け出を出す人だけでも年間500件に上るそうだ。

・・というか、携帯依存症ともいえる日本人。電車のなかでも歩きながらでもレストランでも絶えず視界の中に入れ使っている。手元になきゃ不安になるのだろうか。先進国、後進国含めて、あの光景はおそらく日本人が突出している。


外でしか見られない風景や光景をなぜ見ないんですか。

友人と話している時ぐらい携帯はバッグにしまいませんか。

携帯電話がなきゃ生きていけませんか。



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(バスティーユにある第二のオペラ座)
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by yukaashiya | 2012-11-25 22:18 | フランス生活編 | Comments(0)

パリのマルシェ情報

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週末になると、パリの街ではあらゆるところにマルシェが立つ。売られているものはアンティークものから生活用品に至るまでさまざまでマルシェによっても違うが、上の写真の「マルシェ・ラスパイユ」市だと野菜やチーズなどの食料品、ファッション雑貨などが売られている。下の写真のウゲゲな露店もここに出ていた。

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魚で言うところの「お頭付き」みたいなものか。こんなものが食卓に並ぶなんて、あわわ。

・クリニャンクールの蚤の市・・パリ最大の蚤の市で、規模はかなり大きい。アンティークものから生活用品、ファッション衣料、靴、生活雑貨など、ないものがないぐらい。さらにこの蚤の市の奥のほうにはアンティークショップが軒を連ねているエリアがあり、そこは必見。

・ヴァンヴの蚤の市・・・さまざまなアンティーク品、洋服、毛皮、生活用品など。午後2、3時頃からは露店がガラッと変わって、安物洋服&生活雑貨の露店に変わる。

・マルシェ・バスティーユ・・・規模は小さいが、アンティークのハガキや切手、家具などでも比較的良質。

・モントルイユの蚤の市・・・生活雑貨や古着。日本のガイドブックに載っていたので行ったが、行かないほうがいい。売られているものも汚れているものが多いし、とにかく汚ならしい。街もちょっと雰囲気が違う。


パリのマルシェの出展者は、プロもいれば個人が出店届けを出して売っている場合もある。思わぬ掘り出しものがある場合もあるが、買うものには気をつけたほうがいい。わたしは新品のラジオを15ユーロで買って、3、4回使ったらもう壊れた。


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パリ市中には、ところどころに子供用の乗り物やメリーゴーランドがある。
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by yukaashiya | 2012-11-24 22:20 | フランス生活編 | Comments(0)

フランスのおじいちゃんたち

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(ヴァンセンヌの森の東のほうにあるヴァンセンヌ城)

ここ1週間ほど、ポンピドゥ・センター内にある図書館に通い詰めている。パリでの滞在も残すところわずかとなり、調べておきたいことが残っているからだ。「その国」で起きたことや歴史、文化は「その該当国」で調べるのが一番。文献の数も違う。

昨日は図書館へ行く前に、あのおじいさんとまた会えるかなあと思って、先日出会った公園に寄ってみた。同じベンチに10分ほど座っていたが、あのおじいさんは現れなかった。

夜、図書館からの帰り道、マレ地区の横断歩道を渡っていると、すれ違った男性が「ドウゾ」と言った。聞き間違いなんかじゃない。言葉は確かに「ドウゾ」だった。ふり返るとその男性もふり返っていて、わたしが戸惑った表情を見せるとにこりと笑って近づいてきた。70歳ぐらいのフランス人だった。

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(高さは50m。中世におけるフランスでの最も高い主塔らしい)

「You are ニホンジン、ネ」

老人は「日本人はシャイね」とか「フランスは何度目か」「いつまでいるの」といった質問に始まり、「東京も高いけど、この地区の家賃も高いんだよ」「あの通りはいいお店が並んでいるよ」と、とりとめもないことを聞いてもいないのに次から次へと語り出した。時折片言の日本語を入れられるのは、日本(渋谷)に知り合いがいるからのようだ。

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(城内にある聖シャペル/シテ島の聖シャペルをモデルにして造られた)

きっと、誰かとしゃべりたかったんだろう。それで日本人らしき女性(わたし)とすれ違った時に、知っている日本語の一つ「ドウゾ」を発言してその反応を見たのだと思われる。フランス語でいうところの「ワラ」だ(笑)。そしてわたしは彼の目からすると、「話につきあってくれる人」に映ったらしい。

イギリスでもフランスでも、街でお年寄りをよく見かける。日本に比べると、数がずっと多い。それだけこちらのお年寄りは元気なんだろうし、出かけやすい街づくりになっているのかもしれない(ただしフランスでは障害者はあまり見かけない)。

でも、先日のおじいちゃんにしても昨夜のおじいちゃんにしても、きっと寂しい思いをしているお年寄りが多いんだろうなあ。

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(どこかの街で見かけたおじいちゃんたちのボール投げゲーム。
黄色いボールに最も近づけた人が勝ちらしい)
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by yukaashiya | 2012-11-23 19:53 | フランス生活編 | Comments(0)

フランスのおじいちゃんたち

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(ヴァンセンヌの森の東のほうにあるヴァンセンヌ城)

ここ1週間ほど、ポンピドゥ・センター内にある図書館に通い詰めている。パリでの滞在も残すところわずかとなり、調べておきたいことが残っているからだ。「その国」で起きたことや歴史、文化は「その該当国」で調べるのが一番。文献の数も違う。

昨日は図書館へ行く前に、あのおじいさんとまた会えるかなあと思って、先日出会った公園に寄ってみた。同じベンチに10分ほど座っていたが、あのおじいさんは現れなかった。

夜、図書館からの帰り道、マレ地区の横断歩道を渡っていると、すれ違った男性が「ドウゾ」と言った。聞き間違いなんかじゃない。言葉は確かに「ドウゾ」だった。ふり返るとその男性もふり返っていて、わたしが戸惑った表情を見せるとにこりと笑って近づいてきた。70歳ぐらいのフランス人だった。

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(高さは50m。中世におけるフランスでの最も高い主塔らしい)

「You are ニホンジン、ネ」

老人は「日本人はシャイね」とか「フランスは何度目か」「いつまでいるの」といった質問に始まり、「東京も高いけど、この地区の家賃も高いんだよ」「あの通りはいいお店が並んでいるよ」と、とりとめもないことを聞いてもいないのに次から次へと語り出した。時折片言の日本語を入れられるのは、日本(渋谷)に知り合いがいるからのようだ。

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(城内にある聖シャペル/シテ島の聖シャペルをモデルにして造られた)

きっと、誰かとしゃべりたかったんだろう。それで日本人らしき女性(わたし)とすれ違った時に、知っている日本語の一つ「ドウゾ」を発言してその反応を見たのだと思われる。フランス語でいうところの「ワラ」だ(笑)。そしてわたしは彼の目からすると、「話につきあってくれる人」に映ったらしい。

イギリスでもフランスでも、街でお年寄りをよく見かける。日本に比べると、数がずっと多い。それだけこちらのお年寄りは元気なんだろうし、出かけやすい街づくりになっているのかもしれない(ただしフランスでは障害者はあまり見かけない)。

でも、先日のおじいちゃんにしても昨夜のおじいちゃんにしても、きっと寂しい思いをしているお年寄りが多いんだろうなあ。

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(どこかの街で見かけたおじいちゃんたちのボール投げゲーム。
黄色いボールに最も近づけた人が勝ちらしい)
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by yukaashiya | 2012-11-23 19:45 | フランス生活編 | Comments(0)

わたしだって

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(ノートルダム寺院)

わたしがホームステイしている家に、ドイツ人3人がやって来た。この家の長男がベルリン在住でアーキテクチャーの仕事をしており、今回は絵画のイベントでパリに戻って来ているらしい。そのイベントが今日からだそうで、友人たち3人も泊まりにきたというわけ。

夜、キッチンで晩ご飯を作っているとそのうちの1人の女性(20代半ばぐらい)が入ってきて、生姜湯をつくり出した。生姜湯にはアジアンなイメージを持っていたが、ジンジャー・ティーとして欧州人も寒い日に飲むらしい。

その女性、わたしにフランス語で話しかけてきた。うっと返事に困ると、彼女は話し言葉を英語に変えてきた。母国語のドイツ語にくわえてフランス語も英語も話せるのか。このあたり、欧州は往来が多いから使える機会も多く、勉強したらそれを活用できるようになるのかもしれない・・それでもフランス人は話せない人のほうが多いけど。ちなみに、フランス在住の日本人にはフランス語を話せるからといって英語も話せるという人は多くないようだ。文法が違う。

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(ノートルダム寺院の裏手・わたしは表のファサードよりこちらのほうが建築物として興味深かった)

話が逸れたが、3か国語を話せるんだ、と会話を続けると、「うん。おじいちゃんもおばあちゃんもお父さんもお母さんも話せるのよ」と鼻を反らせる。

へえ、すごいね、と感心してみせると、「だって学校で習ったもーん」。

・・・わたしだって、習ったもーん。

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「我が輩の辞書に不可能という文字はない」と胸張ってハラかきむしるナポレオン・ボナパルト(軍事博物館)
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by yukaashiya | 2012-11-22 03:58 | フランス生活編 | Comments(0)

フランスのトホホな物価

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(プチ・パレ美術館 / 建物はいいが展示物は今イチ、中庭は草ボウボウ。ただ、昔のパリの人々の生活を描いた天井画は興味深い)

パリ(フランス)の不動産はロンドン(英国)より安い。

食材は同じぐらいで、日本より安い。鮮度に関しては店による。ロンドンではどこでも新鮮だったけど、パリでは芽が出て来ているタマネギやじゃがいも、腐りかけのリンゴ、傷みまくっているバナナなどが平気で売られている場合もある。よく確かめて購入すること。

交通費は市内は安い。郊外行きは、早く買えば、つまり空席が多い時期に買えば安くなる。英国にしろフランスにしろほかの国にしろ、交通費はタクシーを含め、日本だけがおそらく世界でズバ抜けて高い。

ノートなど「紙」ものは英国と同じぐらいだけど、日本よりメチャ高。ノート1冊300〜500円が当たり前。いまの為替レートでさえ、である。

生活用品は英国や日本より高いものが多い。安いものもなかにはあるが、スーパーのプライベート・ブランド以外は安いものは買わないほうがいい。安い=質が地底にまで落ちる。

一番びっくりしたのは、口腔洗浄液のリステリン。日本で使ったことがないので日本での値段を知らないけど、パリでは店によって700〜950円(€1=100円)。ロンドンではこの「差額」の250円ぐらい(£1=130円)で買える。ロンドンでは1ポンドショップに並ぶことさえある。パリでのあまりの高さに「なんでこんなに高いの」と店員に聞いたら、「アメリカからの輸入品だから」という回答。英国もそうちゃうん。

昨日はもっと驚いた。飛行機のeチケットをUSBメモリーに入れて文具店へプリント・アウトしに行った時のこと。店のパソコンが立ち上がるまで10分近く待たされた挙げ句、モノクロコピー2枚で3.16ユーロ。わたしゃ思わずバカデカな声で「スリー・ポイント・シックスティーーーーンッッッ?」と聞き返してしまった。1ユーロ100円計算で一枚あたり158円である。店員は涼しい顔をして言った「USBを繋いだから」。

そんなことが高い理由になるのか。ちなみにロンドンでは日本と同様、1枚あたり10円程度だった。


モノクロコピーがそんな値段だった時代、日本にもあったなあ。まだ家庭用ファックス機器が普及する以前のことで、ファックスも1枚100円とか200円だったような記憶がある。当時、たとえば出張先のホテルから送ったりすると、1枚につき300円とか500円とか、国内でそんな値段を取られていた。

日本人のおばさんは、そんなことを思い出しながらトボトボと帰って行きました。

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サン・ジェルマン・デ・プレのあたり
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by yukaashiya | 2012-11-21 21:29 | フランス生活編 | Comments(4)

アンビリーバボーなフランスのお湯事情

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(ギャラリー・ラファイエット(デパート)のクリスマス装飾第二弾)

フランスに来たのは9月の後半だ。10月の始め頃には、「あれっ」と思うことがすでにあった。夜、シャワーを浴びていると、湯の温度がどんどん下がって行き、水のようになったのだ。もしかしたらこの家のお湯は一定の量しか溜められないタンク式なのかもしれないと思った。

その1週間後、また同じようなことが起きた。今度は最初から水で、とてもじゃないけどシャワーを浴びられず、翌日の朝に浴びることにした。

ファミリーの行動を観察していると、夜にシャワーを浴びる人はいない。全員が朝、使っている。やっぱりそうなんだと、独り合点した。なんとなく、こういうことって聞きにくいので自分で判断していくしかない。

あるとても冷え込んだ日の夜のこと。その日は家族全員が朝から出かけ、夜遅くまで帰ってこなかった。すなわち、お湯はほとんど使われていない。今夜は大丈夫だろうと思ってシャワーを浴びたら、またしても水だった。全身、鳥肌ものである。

それで判明した。夜中のうちに沸かされたお湯はその日の気温によって冷めてしまうのだ。日中の平均気温が4、5度になってきた最近、夕方にはもう水しか出ない日がある。それも、冷たい水。だからご飯を作っている時でさえ、とても寒い。それらが判明してからはわたしも夜はシャワーを浴びなくなったが、そのせいで気持ち良く眠れないのが困る。雨に濡れた日にさえ、シャワーを浴びれないなんて・・・。

これはこの家に限らず、またフランスに限らないことであろうと思われる。英国でフラットを借りた時、家全体に機能する大きな瞬間湯沸かし器が家の中にあって、不動産会社の人が「これは大事です」と言っていた。その意味がよくわかった。

いつでも温かいお湯が出る日本。日本は便利過ぎて、人々の思考力を衰えさえ、人々に工夫する力をなくさせていると感じてきたが、こればかりは日本が恋しい。

いま、ベッドに入る前にせめて足だけでも洗いたいわたしは、夜、水で洗っている。かなり冷える。冷えて冷えて目が覚める。受験勉強などで頭を覚ましたい人におススメである。

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(ロビー中央の装飾も少し変わった)
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by yukaashiya | 2012-11-20 21:58 | フランス生活編 | Comments(0)