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サンティアゴ・チリでの、ありえない話

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アルゼンチンのブエノスアイレスからチリのサンティアゴへ、アンデス山脈を超えて飛んだ。ガイドブックなどを読むと南米のほとんどは治安がよろしくなく、だからほとんど全ての移動予定はできるだけ明るい時刻、あるいは夜遅くならない時刻の到着便を選んだ。サンティアゴへは、夕方5時55分の到着の予定だった。

だけど、N.Y.を発つ日にN.Y.の地下鉄が止まって旅の始まりにケチがついたのか、このあとほとんどの「交通移動」でイヤな思いをすることになる。サンティアゴは到着が微妙な時刻だったので、宿泊先のアパートメント・ホテルに出迎えを頼んだ(有料)。

飛行機は、20分遅延して到着した。ごく普通にあることである。それはいいとして、問題は頼んでおいたタクシー・ドライバーが帰ってしまったことである。そんなこととは露知らず、私はドライバーを、というか、ホテルと連絡をつけるために2時間も待ち続けることになる。ホテルが手配したはずのドライバーがどこにいるのか分からず、その状況ではホテルにだってちゃんと宿泊できるのかどうか分からないからである。

飛行機に乗ったことのある人なら分かると思うが、便の到着は、到着ゲートで遅延も含めて分かるようになっている。また、国際便だから、到着してから入国審査があり、それから預け入れた荷物を受け取ってゲートへ向かう。そこにはタクシー・ドライバーを含めてたくさんの出迎え人がいるものだ。だがその中に、私の名前が書かれたボードを持っている人はいない。空港職員にどうしたものか聞いてみるも、スペイン語しか理解できない人ばかりで、私は途方に暮れる。何しろこんな経験は、初めてなのである。ホテルに電話してみたがずっと話し中で、ラチが開かない。

困っていると、友人の到着を待っていた英語が堪能な若いチリ人女性が声をかけてくれた。そして彼女の携帯電話で、ホテルを予約したサイト・Booking.comへ連絡をしてくれた。彼女も、Booking.com(電話は米国へ転送された)もホテルへ電話してくれるものの、ずっとずっと話し中。ありえないぐらい話し中。空港フロアでは個人的な(ドライバーの)呼び出しを受け付けていないというし、ホテルへは連絡がつかないし、あたりは暗くなっていくし、ホテルそのものをキャンセルすることはできないという。ドライバーがいないからといってホテルが宿泊を受け付けないとは限らないからだそうだ。

かくして2時間後、本当なら乗りたくはなかった空港タクシー(各国でぼったくられることや回り道をされることが結構あるからだ)を使って宿泊先へ向かった。その空港タクシー運転手はホテルに着く前のどこかの道端に車を停めて料金を請求してきた。これもまたありえない話で、着いてからじゃないと払う気はない、とにかくホテルへ向かえと、こちらは英語、運転手はスペイン語で、車中でひとしきり叫び(?)あった。もう、心臓に悪いことばかりである。

着いたのは大きなマンションで、管理人に宿泊先名を告げると、建物内部にあるオフィスの部屋番号を教えてくれ、その部屋で宿泊手続きをして自分の部屋の鍵をもらうというシステムらしい。そんなややこしいことも知らなかったから、ますます混乱していく。

オフィスへたどり着くと男性スタッフがいて、午後からずっといるけど電話は使っていない、ドライバーのことは分からない、だけどとにかく申し訳ない、料金は値引きさせてもらうと、そのスタッフから提案してきた。母国語はもちろん英語も全然通じない国で心細い思いをし、腹立たしい気持ちはなかなか収まらなかったけど、とても丁寧に彼が謝ってくれたので、少し気持ちを落ち着けて自分の部屋へ向かった。

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いい部屋だった。キングサイズのベッドに、小さなキッチンとダイニング、リビング・エリアがある。隣のビルにはスーパーマーケットが入っていてギリギリ買い物もできて、それでも部屋で落ち着けたのは午後10時になってからで、もうクタクタだった。

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ここでは元々の予定通り3泊したが、チェックアウトの前日に支払いをしにいくといたのは他の女性スタッフ3人で、「ドライバーのことは知ってますよ。飛行機が遅れたから帰っちゃったんです」と、当たり前のように言う。いっておくが、数十分の遅れで迎えのドライバーが帰ってしまったなんて話、少なくとも私はこれまで聞いたことがない。また、先方から言い出したはずの割引については「そんなことするはずがない」とあざわらうし、私が先日会ったスタッフは「昨日」辞めたという。そんな都合のいい話があるものか。

全く客をバカにしたアパートで、3泊4日の間タオルの交換も無ければゴミの回収もなかった。それでも払うべきものは払わなければと思ってチェックアウトの時に清算を申し出ると、Booking.comに登録してあったクレジット・カード情報で勝手に清算されてしまっていた。その支払い方法を私は選択していなかったので、私が宿泊費用を払わずにトンズラしたならともかく、カード情報を勝手に使われるなんて、これもまたありえない話である。Booking.comはきちんと対応してくれたものの、彼らにしたところで何ができるわけでもない。旅はたくさんしてきたけれど、こんなに嫌な思いをした宿泊は初めてだった。

だけど「交通」の問題は、この後もずっと続くのであった・・・。




by yukaashiya | 2017-06-03 07:55 | 旅行編


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