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スウェーデン人の英語力

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これはストックホルム旧市街にある国会議事堂。歴史的な重みを感じさせる美しい建築物で、なおかつそこを市民も観光客も通り抜けられるところに欧州のおおらかさがある。

ストックホルムに来てがっかりしたのは、中央駅近辺の新市街は日本のような変哲のない近代ビルが多いこと。だから「ストックホルムに来たんだ」「スウェーデンに来たんだ」という実感が湧かないのである。それと同様に、日本に来た観光客が日本に来ていながら日本を感じられていないであろうことを、わたしはいつも憂いている。

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ところが旧市街へ来ると歴史的建造物が一気に増え、かつこの国会議事堂のように近代に修復(増築?)させたところを元からある建物にうまく融合させているものがある。日本は由緒ある建物でも耐震構造などが問題になれば全部壊してしまい、たとえば一部だけでも残して建て直すというケースがほとんどないので、とても残念だ。

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(王宮から見た国会議事堂)

ただし、ストックホルムに来て最も驚いたのは、市民の英語力である。とても多くの人が英語を話せて、なおかつ話せる人のほとんどがとても綺麗な発音を伴った流暢な会話を繰り広げる。英語発祥の地、イギリスには移民が多いことも手伝って400以上の言語があるなんて言われているが、たとえその人がイギリス人でも何を言っているのかほとんど理解できない人がいる。それはわたしのヒアリング能力がまだまだだからだろうし、あるいはその人たちの方言のせいもあるかもしれないが、そういうことを感じることがストックホルムの人との会話では全くと言っていいほどないのである。

家主のレオやフラット・メートのデニス、そしてカフェでたまたま隣り合わせて話が弾んだストックホルム人女性の3人にそのワケを尋ねてみた。スウェーデンでは8歳から英語を習うそうだが、それよりも3人が口を揃えて真っ先に言ったのは、「映画のおかげだと思う」の一言。映画館でもテレビでの放映も吹き替え版がないのだそうだ。それが功を奏しているのだと、3人が3人とも感じている。

英語を話せる人の多いギリシャでもインドでもそうだった。特にインドのテレビでびっくりしたのは、吹き替えずに英語のままで放映しているのに字幕まで英語だったことである。

学校や机上で習うよりも実用的な英会話を、英語を実際に話している人の発音で聞くことができる。しかも映画だから、ストーリーを愉しみながら見ていることがそのベースにある。このブログで何度も書いてきていることだが、日本も吹き替え版をつくらない方向へ変えていったらどうだろうか。
by yukaashiya | 2014-04-17 07:21 | スウェーデン編


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