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スウェーデンの税金の高さと生活の実態

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昨日書いたようにスウェーデンの物価は高い。だから「IKEA」や「H&M」といった廉価なブランドが人気を博して世界へ広まったのかなと思ったほどだ。

では平均年収はどうなのか。手元に2010年の世界各国の平均年収があるのだが、日本は3位で$ 35,474.10
、スウェーデンは8位で$ 25,105.50とある。が、注意したいのはこれはリーマン・ショック後の円高の時のUSドル建ての金額であること。
つまり、現在の為替レートで換算するとおそらくほとんど替わらないものと推測される。

スウェーデンの「付加価値税」(日本でいうところの消費税)の税率はとても高くて25%だ。ただし、食料品は12%だし、書籍や新聞、交通費は6%と、生活や教養にかかる税金はグッと下がる。それでもほとんどが日本の税率より高いじゃないかというなかれ。スウェーデンは小学校から大学院まで学校にかかる費用(私学も)や医療費が全て無料なのである。

学費がかからない(そのうえ補助金まで出るという話も)ことは子供のいる家庭にしか“恩恵”がないとはいえ、自分自身が同じように国民の支払う税金で学校を出してもらったことを考えれば“不公平”にはならない。

健康保険料を個人が支払う必要がないうえ医療費が無料なのに比して、日本は健康保険料を払ってなおかつ実費の3割負担。日本人の平均年収は昨年度で446万円と聞いたが、その平均月額保険料は個人の負担分がおおよそ16000円ぐらいだろうか。つまり年間192000円。これを平均年収にあてはめると約4.3%。病院に一度もかからなくてもそれだけ支払ってるんだなあ。大きな病にかかっている人は、そのパーセンテージが当然あがる。

ただ、スウェーデンは地方税が30%で、最終的には収入の60%ぐらいを税金に支払っていることになるという。が、学費と医療費無料。また、年間5週間の有給休暇(日給より高めに設定されているらしい)、お産前後の1年以上の有給休暇などもある。収入が一定基準を満たさない人は年金を積み立てなくていいうえ、年金はもらえるという面もある。さて、日本とスウェーデン、どちらが暮らしやすいだろうか。

要は、バランスの問題だろう。だから「他の国はもっと消費税(付加価値税)が高いから日本も上げるべき」という論法はおかしい。

不安のない生活を送るための、収支のバランスが取れているかどうか、その一言に尽きる。

わずか数日の滞在でいうのも何だが、スウェーデンの人々の表情は平均して幸福に満ちて見える。

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by yukaashiya | 2014-04-14 06:30 | スウェーデン編


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