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ぼったくりの定義

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(ザグレブ博物館)

自力での手配旅行をするようになって、ずいぶんになる。

きっかけはいろいろあったけど、初めて一人旅をした海外旅行がベトナムでほとんど全てのことが現地で何とかなったことや、北京では事前に日本で頼んで行った万里の長城ツアーが前夜になって不催行になるなんてこともあったし、それで当日現地のツアーに参加したら料金が10分の1ぐらいだったせいもある。

どの国だったか発展途上国で、日本人の経営する旅行代理店に支払った半日ツアーの料金が、その国の国民の平均月給に相当する金額だったなんてこともある。

イタリアを巡り歩く旅をする前に鉄道パスを買うべきか悩んで大手旅行代理店に相談したら買うべきと断定されたが、よくよく調べてみると単発で買ったほうが代理店に支払う手数料を含めて何万円も得だということが分かった、なんてこともあった。

とにかく日本の旅行代理店を通すとバカ高くなるんである。

ザグレブにいるあいだに「プリトヴィッツェ湖群国立公園」(Plitvice lakes)へ行けるものなら行きたいと思っているのだがずっと天気が悪く、残り1週間というところで同居人のミロスに聞いてみると、彼の知人にツアーを組んでガイドしている人がいるので尋ねてみてくれるとのこと。いまはその返事待ちだ。ここの「水の碧さ」を自分の目で見てみたい。

その国立公園は、ザグレブからバスで2時間半の地域にある。先日スロヴェニアで出会ったあい子さんたちは公共バスに乗って行った。彼女によると、片道93クーナ(約1600円)。それを考えると、ミロスの知人のツアーは往復200クーナで家までの送迎付きというし、国立公園はかなり広いし寒い時期なのでガイドによって効率よく歩けて助かるしで、言うことなしなのだ。

つらつらとネットでその国立公園のことを調べていると、日本の旅行代理店の「公共バスチケット」の購入ページが出て来た。わたしの口はあんぐりと開いてしまった。だって、片道につき1人なら68ユーロ(約9100円)、人数によって料金に違いがあり、5人なら一人当たり40ユーロ(約5400円)と記されていたからだ。唯一ついている特典(?)が、「宿泊先のホテルまでお届けします」というものだった。これをぼったくりと言わずして、なんと言おう。

チケットは、車内でも買える。繁忙期だと満員で買えないなんてこともあるかもしれないし、前日までにバスセンターへ買いに行けない人にはこういう日本人が仲介している代理店に頼むしか方法はないだろうが、そこにつけこんでいるとしか思えない金額である。

ふと思い出したのだが、昨年回ったインドで「ぼったくり業者にダマされる人の8割は日本人」と聞いた。そのインドでの日本人が関わっている旅行代理店はやはりどこも高いので、そこで平然と買っている日本人が「カモ」になるのは仕方のないところなのだ。

「だけど、あいだに日本人が入っているほうが安心」という人もいるだろう。それはそれで理解できる。ただ、わたしの経験からいえば、そうともいいきれないのが現実だ。

たとえば、日本の大手航空会社で手配・購入して行ったエア・チケットで、その日系航空会社のスタッフがわたしに間違えた航空券番号を伝えていたため、中国国内線の飛行機に乗れなかったことがある。ほかの国では、日本人の経営する旅行代理店に鉄道チケットを頼んだら、間違った区間を手配されたこともある。それなのに、彼らが取り間違えた切符のキャンセル料を請求してきた(そのスタッフの上司がメールでわたしに請求するなと書いていたにも関わらず、だ)。

かくように、相手が日本人だからといって必ずしも安心できるわけではない。

どこからがぼったくりで、どこまでがぼったくりじゃないか。その定義付けは難しいところだが、少なくともチケットなどを購入する時は現地での「適正で現実的な価格」を知ったうえで買うことをお勧めしておこう。


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(その昔、銃の練習をしたらしき木製ボードで、ザグレブ博物館に展示されている。たくさんの種類の絵があり、こういうものにも芸術性を求めていたことが窺える)
by yukaashiya | 2013-11-22 07:47 | クロアチア生活編


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