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欧州ケータイ事情

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ネットや携帯電話は日本と繋いでくれる大事なツールであるばかりでなく、わたしのいまのような生活をしている者にとっては他国で友人や知人になった人々とも気軽に連絡を取り合えてとてもありがたい存在だ。そんななか、今年のロンドンでのフラットメートのジーンから心理療法を受け出してからずいぶん良くなったという知らせが届いた。安心したし、メールは他のフラットメートたちもみんなわたしを恋しがっているよと結ばれていて、とても幸せな気分にしてくれた。

ケータイについても、海外にくれば特に便利な世の中だとしみじみ感じさせてくれることが多い。ただ、日本の携帯は海外ローミング料がバカ高いので使う気になれない。それに、わたしはSIMロックを外したドコモを持っているが、たとえばインドでボーダフォンのSIMをドコモの携帯機器は受け付けなかった。所有者に3000円払わせてやっとロックを解除するという面倒をかけているわりには、役に立たないのである(こんな環境下にあるのは日本だけだと思われる)。

そんなわけで、現在使っている携帯機器は日本から持っていったドコモの携帯と(といっても持っているだけで使っていない)、もう1つはインドで買ったノキア製の携帯。このノキア製で、イギリス、フランス、インド、ベルギー、そしてクロアチアと、使えないSIMカードはいまのところない。

滞在する場所が変わるたびにSIMカードを買うのだが、これが廉価で助かる。たとえばフランスで買ったSIMは半年間有効のもので10ユーロ(約1300円)。もちろん通話やメールをたくさんすればチャージしていかなければならない。が、海外からの着信も国内通話もメールも料金がすごく安いので、わたしは昨年2ヶ月丸々保った。

ちなみに欧州ではみんなメールはSMSを使う。そうそう、日本の携帯機器はSMSだとごく限られた文字数しか打てないのも不便。欧米系の機器だとその何倍もの文字数が打てて、しかも送信料はプリペイドSIMでも数円程度(日本のものは一通100円)。月額料金を払う長期契約なら一ヶ月5000メールまで無料でやりとりできますよ、なんて料金体系のものもイギリスにある。

参考までに、ドコモのiモード・メールは何日間も「どこかに引っかかって」届かないことがけっこうある。1週間程度の海外旅行をした時、日本へ帰国してから届いたということが何度もあったからご用心。しかもiモードメールで長い文章をやりとりすると、文章だけで海外にいる受け手側にも一通あたり数百円かかることがザラにあり、そこにカラーの絵文字や動く絵でも入っているとトンでもない金額になってしまうことを記しておこう。電話やメール代だけで月に何万円も払うなんて、少なくともわたしはごめんである。

話は戻って、ベルギーでは滞在先のレジデンスのオーナーが機器を無料で貸して下さったのだが、海外からの着信も全くの無料だった。インドは着信料も有料だったが、記憶では半年契約のSIMで600円程度を最初に支払った以外追加料金は発生していない。1ヶ月ぐらいの間で合計1時間以上の着信を受けているにも関わらず、である(ただしインド南部では外国人はSIMカードを買えない)。

そしていま、クロアチアにいる。フラットメートであり家主のミロスに聞くと、SIMカードはキオスクで簡単に買えるという。そこで駅前に出向いた。中央駅はショッピングモールになっていて、10件ぐらいのキオスクがある。ところが「年間や月間契約のないSIMカードが欲しい」と尋ねて歩くも、キオスクの人たちはSIMカードを出しながらもそれがどういう契約内容のものか分からないという。パッケージを見せてもらったが、クロアチア語なのでわたしにも全くわからない。

7、8件目でようやく「女神」が現れてくれた。店の人とやりとりをしていると英語を話せる女性客が通訳を買って出てくれたのだ。それでやっと購入できた次第。SIMは20クーナ(約340円)で、チャージしていくタイプである。ただ、フランスなどもそうだったがクロアチアもSIMはただ差し込めばいいというわけではなくて、SIMを差し込んだあとSIM会社に繋げて「開設」してもらわなくてはいけないらしい。その女性はそれまでも手伝ってくれて、おおいに助かった(後日知ったのだが、開設したあと誰かに一度電話をかけないと本当の開設にはならなくてSMSの送信ができなかった)。

そんなやりとりをしていると、たまたま通りかかった別の女性が「そのSIMカード会社は通信料が高いから気をつけたほうがいいわよ」と話しかけてきた。そして「全く信じられないぐらい高いの。一度使ったことがあってあまりにも驚いて、電話して文句を言っちゃったわよ」と続けた。

げっ・・そんなに通信料が高いんですか。欧州は固定電話だと他国でも1分数円程度だし携帯でも数十円程度だと聞いていたんですけど・・・。

「そうでしょ。ところがあなた、20クーナで買ってアメリカに電話したら、たった2分間で切れちゃったの。信じられないでしょう。そんなことがないといいわね。グッドラック!!」

それって1分あたり170円ってことか。それが欧州間はもちろんのこと、欧米間においてでさえ、どれほど高い通信料であるかが彼女の口ぶりからとてもよく感じ取れた。

ドコモの携帯でクロアチアから日本へ電話したら、1分あたり380円。それを知ったらあの女性、腰を抜かすんじゃなかろうか。日本の携帯会社へもクレームの電話、入れてくんないかなあ。
by yukaashiya | 2013-11-06 06:23 | クロアチア生活編


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