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ヨークの人々

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先日、ヨークまで一泊で行ってきた。イングランド北部にある情緒漂う街なので、国際GIの取材が主な目的だが観光する時間も取って訪れた。

実は昨年も計画したのだが取材申請に思いも寄らぬほど時間を要し、交通費がバカ高くなったので断念した経緯がある。今年は早く取れたので日本円にして往復5千円ぐらいで行けたが(昨年は為替レートが高かったので今年で良かった・笑)、英国の鉄道は早く買わないとメチャクチャ高くなるのである(週末だと割安だけと)。ちなみに、日にちと列車を指定しても早めに買わなければこの3倍かかっていたし、列車と日にちを指定しない1ヶ月以内の往復チケットだと7倍かかる(!)。英国国内の鉄道は、早く買うに限る。

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ヨークのシティ中心部は城壁に囲まれた美しい街で、何百年も前の建物もあちこちに残っている。最初の写真は城門の1つ、この写真は城の一部だったクリフォーズ・タワーである。

街中を効率良く回るのに、いい手段を見つけた。ツアー・バスもあるが、市内を縦横無尽に走るシティ・バスの1日券をたまたま見た広告で見つけたのだ。ロンドンにも同じようなシステムがあるが(オイスター・カード)、これだと終日、何度乗っても£4.5。その料金も嬉しかったけど、わずか2日間のうちにバスで何度も心温まる事があった。

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(ヨーク大聖堂)

最初に乗ったバスでは、宿泊先に向かった。運転手に行き先を告げると彼は「うーん、そこには多分、停まると思うよ」との返事。「えっ・・・知らんの?」と返すと機械を操作してそこに停留所の名前が表示されたらしく「あっ、停まる! 停留所に来たら、声をかけてあげるよ」と笑った。ヨークのバスは車内アナウンスも電光掲示もないので、運転手はいちいちバス停の名称まで覚えていないようだった(笑)。でもわたしが降りたい場所に着く前にちゃんと教えてくれたし、わたしの隣に座っていた若者は運転手とわたしの会話を聞いていたらしく、彼も教えてくれた。

そのバスは、わたしが乗車した次の停留所で一旦停まった。停まって、なかなか動き出そうとしない。なんでだろうと思っていると、そこへパトカーがやってきて降りてきた警官がバスに乗り込んできた。英国の警察官は屈強な体をした人ばかりで、そんな人が乗ってきて運転手と何やら言葉を交わしたあと仁王立ちになって車内を見回したもんだからわたしゃ驚いた。というか、恐れおののいた。えっ、もしかしてこのバスに凶悪犯とかテロリストとかそんな人が乗ってんの、もしかして、なんてね。

だけどその警察官が車内をつかつかと歩いてきて立ち止まったのは、わたしの前に座っていたおばあさんの前。彼らの会話から察するに、どうやらそのおばあさんは認知症らしく、徘徊するうちにこのバスに乗っていたものらしい。おそらく心配した家族が警察に連絡し、警察から公共交通機関にも連絡を入れたんだろう。それでそのおばあさんに気づいたバスの運転手が本部へ連絡したようだった。住民に関する連携が街ぐるみで取れているわけで、すごく感心したし、そういうシーンを目の当たりにして心の温まる思いをしたものだ。

別の意味で驚いたのは、クリフォーズ・タワーに向かった時だった。そのバスの運転手は30代のブロンド・ヘアの綺麗なオネーさんで、タワーに行きたいのだと告げると「ピカディリー街で降りたらいいわよ」と言う。その通りに着いて降りる時オネーさんにどっちへ向かったらいいかと聞くと、「うーん、はっきりした場所はわたしには説明できないから、あの人に聞いて」とそこのバス停に立っていた30代半ばぐらいの男性を指差す。

だけどその男性はそのバスに乗り込むようだったから、遠慮しようとした。するとオネーさんは「その人よ、その男性に聞いたらいいわ」と、すでにバスを降りてしまっているわたしの背中に向けて大声で叫ぶ。バスに乗ろうとしていた男性はわたしの方を向き、「どこへ行きたいの」と聞いてきた。しかも、タワーだと言うと、「こっちへおいで」とテクテク歩き出す。えっ、バス行っちゃうよと、とわたしは彼の心配をする。

でもその男性は歩き続けて別の通りへ出ると、「あそこに見えている通路をまっすぐ行くと、通路の終わりに右手に見えるから」と教えてくれた。そこまでで、わたしがバスを降りてから、5分近くかかったと思う。だけどその男性にお礼を言いながらバス停の方を振り返ると、なんとブロンド髪の運転手のバスはそのまま彼を待っていた。

こんなこと、他のどんなところでありましょうか。

ヨーク競馬場へは、2日間行った。初日の帰り、ヨーク駅と競馬場を直通で結ぶバスは近辺で事故があったらしくて道が渋滞し、バスがスムーズに来れない状況に陥っていた。バスを待つ人の列はとてもとても長く、ようやく列の最後尾にたどり着いた時、念のためそこに並んでいた年配のカップルに「これ、駅までのバスに乗る列ですよね」と尋ねてみた。すると2人は「不運なことにね」と言った。

まるで楽しいことを待っているかのように、笑いながら。

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(ヨーク駅の真ん前にある歴史の佇まいを感じるバス停。背後にあるのは、シティを囲む城壁)
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# by yukaashiya | 2016-08-21 06:57 | 英国生活編 | Trackback | Comments(0)

日本にマネして欲しいこと

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先日、今年2度目の「BBCプロムス」へ行ってきた。BBCプロムスとは、ロンドンで毎年夏に行われる音楽の祭典。ロイヤル・アルバート・ホールで約2か月の間、毎日コンサートが催されている(ほとんどがクラシック)。

今回は、最も廉価な席を取ってみた。この写真を撮った位置で、ステージからはかなり遠い。それでも演奏を聴くには何ら支障がなく、それどころか意外にもステージ全体を見渡せて見やすかったと言ってもいい。しかもど真ん中のシートが買えたので、ラッキーでもあった。価格は出演者によっても当然違うが、この日はBBCスコティッシュ交響楽団で、この座席で12.5ポンド。ブッキング・フィーを含めても14.75ポンドで、ポンド安になっているおかげもあるが、日本円にして約2千円である。約150年も前のヴィクトリア時代に建てられた由緒あるホールでこの価格で一流の演奏を楽しめるのだから、クラシック・ファンにはたまらない。

しかもこの席、わたしはそれなりの格好をして行ったが、若者の中にはTシャツにスニーカーという出で立ちの人もいた。古いホールだけにクーラーの設備がないし(欧州では多い)、廉価な席だけにそれが許容されているのだろう。ちなみに、座席エリアによって入口も違うから、高価な席の人々と鉢合わせして気まずい思いをすることがない。

最も廉価な席と書いたが、実はもっと安いチケットもある。それはステージ前のアリーナ席と最も高い位置にあるバルコニー席で、立ち見のそれらは事前に買うことはできず、当日並んで収容人数の範囲内なら買えるチケットだ。このチケットを手に入れるために、その日のコンサートの人気の度合いによっては、何時間もの間、並ぶ人々がいる。私も以前、一度だけ「挑戦」したことがあるが、外で何時間も並んだ後の立ち見は結構しんどいので、若者に任せることにした(笑)。

その立ち見席はいくらかというと、たったの5ポンドである。日本円にして650円ぐらい。為替の関係でこの金額になるが、英国人にとっての5ポンドは日本人にとっての500円ぐらいの価値に相当する。財布の懐が寂しい人々も、こうして一流の音楽をライヴで堪能できているのだ。もっとも、これは英国だけに限ったことではなく、多くの欧州の国で若者やお金がない人のためのそういう環境が整っている。

日本人には中国の産業を「日本のマネばかりして」と揶揄する人がいるが、世界からすると日本こそが「猿真似」と呼ばれてきた国。よその国が発明したものを、より高度あるいは精度の高いものを作って「ものづくり」の日本と言われてきた面はあるにせよ、その時代も終わりを告げている。だけど、こういう面に関するマネは日本ではこれまでおそらく行われていない。教養の面においてもいい音楽を聴いて感性を養うという意味でも、どんどん取り入れていくべきじゃないかと感じている。ピカチュウを追いかけて喜んでいる場合じゃないのだ。
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# by yukaashiya | 2016-08-14 06:27 | 英国生活編 | Trackback | Comments(0)

英国の女性だけの社交クラブ

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ロンドンには、紳士淑女が集う社交クラブがある。もともとは紳士だけの社交クラブとして発足し、それはイギリス特有の社会現象だったという。古くは1600年代に創設され、近代競馬発展の礎となったジョッキークラブの創設は1750年。社交クラブとして現存しているのは20ぐらいじゃないかとのことだが、その多くはバッキンガム宮殿やセント・ジェームスズ・パレスに近いストリートのパル・マルかその近辺にある。

会員になるのは容易ではなく、大抵メンバー2人のサポーティング・レターが必要だったり、面接があるうえ現会員たちによる承認サインが要ったりする。また、たいてい入会金や年会費も発生する。中には現在でも男性しか入れないクラブもある。

この1か月だけでも3、4回、メンバーの方から社交クラブにお呼ばれして行ったのだが、そのうちの1つに、オックスフォード&ケンブリッジ・クラブがある。名称から推察できるように、元は同大学の出身者だけが入れたクラブで、ただし現在はフレキシブルに対応しているようだ(とは言っても、やはり誰でもメンバーになれるわけではない)。わたしが訪れた時、ホールにはポルシェが飾られていたが、車は毎週、入れ替えられるそうである。

そのクラブと建物内部で繋がっているのは、オックスフォードかケンブリッジを卒業した女性だけが入れるクラブ。華やかかつクラシカルで、しかも女性が好みそうなインテリアでまとめられていて、とても美しい。いずれのクラブも5つ星ホテルかそれ以上の豪華さで、こうしたクラブでは写真を撮るのは憚られるが、誰もいない隙を見計らって1枚だけパチリ。この写真は、その女性だけのクラブのバスルームのエリアにあった休憩室である。
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# by yukaashiya | 2016-08-11 19:57 | 英国生活編 | Trackback | Comments(0)

折れてた指

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(サセックス・ガーデンズにあるセント・ジェームス教会での日曜ミサ)

7月はこれまで書いた以外にも、家の近所にあるセント・ジェームス教会(英国国教会系)でのミサや、イタリア文化協会でのガラ・コンサート、リージェント・ホールでのベートーヴェン・ピアノ・ソナタ・コンサート、ホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)の資料ばかりを膨大に所蔵している図書館の見学、美術ギャラリーのレセプション・パーティなど、多々出席してきた。そしてその間、病院にも通った。

現在のフラットに引っ越してきた5月初め、自分専用のバス・ルームで階段から落ちたことはすでに書いた。その時、左手の真ん中の指でドアを開けたぐらい強い力で突き、指がすごく腫れた。でもたかが突き指、そのうち治るだろうと思っていた。たかが突き指だから、病院へ行くことなんて思いつきもしなかった。

ところが1か月経ち、2か月が過ぎても痛みを伴う腫れが頻繁に起こる。そこでようやく、病院へ向かった。言葉の壁を考えたら、日本人医師がいい。それでネット検索して行き、レントゲン検査をしてもらった。でも、骨に異常はなしとの診断結果。それで次はMRIを撮ってもらった(あんな大層な検査とは知らなかった・汗)。その結果、関節の周囲に水が溜まっていることが判明。通院し出して1か月、つまり怪我をしてから約3か月後になってその医師に「上肢専門」という英国人医師を紹介してもらった。痛みと腫れは相変わらずで、将来的なことも気になる。

費用はすべて、東京海上日動の海外旅行傷害保険を使わせてもらった。同社のスタッフはやり取りする人すべてがとても親切で、安心して診察を受けることができた。医療専門の通訳の方まで紹介してくださって、その通訳の方も信頼できるとてもいい方だった。

そしてその英国人医師に診てもらい、以前撮ったレントゲン写真をも見てもらって判明したことは、なんとなんとなんと、骨折していたこと。

折れていたのだ、わたしの指は。

どうりで、めちゃくちゃ痛かったはずだ。

1つ幸運なことは、折れた骨は元の位置にきちんと収まって、すでにくっついているという。その周囲の組織がダメージを受けているため炎症を起こしたり水が溜まったりしているが、いまは元に戻ろうとしている最中なんだそうだ。これからまだ2か月ぐらいは、腫れが収まることはないらしい。平均して、このような症状は完治するまで6か月ぐらい要するんだとか。でもって、ちょっと歪んで太くなった指の形は、本来の形には完全には戻らないかもしれないと言われた。

いいよ今更、少しぐらい歪んだって。少しぐらい太くなったって。

ふつうに生活できるなら、誰に見せるわけでもなし(笑)。

ああそれにしても、折れていたなんて。
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# by yukaashiya | 2016-08-07 06:27 | 英国生活編 | Trackback | Comments(0)

英国人もびっくりな落とし物

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(パディントン・ストリート・ガーデン)

ロンドンの繁華街では、しょっちゅうフリー・マガジンが配られている。その中の1つに載っていた記事に、公園のベンチに座っていたのに人目をはばからず笑ってしまったものがあった。

タイトルが「HEADS UP(ご注意あれ)」だった記事には、レスター・スクエアに建つエンパイア・シネマでの落とし物についた書かれていた。映画館で落とし物、あるいは忘れ物といえば、ふつうなら携帯電話や傘、メガネが相場。それは日本でも同じだろう。

ところがこの映画館のスタッフはある日の上映後、客席に忘れられていたものを見て驚いた。なんとそこには、生きたニワトリがいたらしい。

それだけじゃない。ここの映画館の落とし物リストには、入れ歯やサイモン・コーウェル(音楽プロデューサー)の等身大のプラスチック製の人形(日本でいうところのビニール製の人形)まで載っているんだとか。

英国人もびっくりな落とし物。それにしても、ニワトリは一体何のために持ち歩いていたんだろう。
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# by yukaashiya | 2016-08-01 05:54 | 英国生活編 | Trackback | Comments(0)