気さくなニューヨーカー

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(プルックリン地区にある広大な公園「プロスペクト・パーク:585エーカー)

ニューヨーク滞在初日から、「話す」機会が多くてびっくりしている。例えば道を歩いていてその先でホースで水撒きをしている男性がいるとする。私がそこを通過する時、彼は水を止めて「キミのためにしばし休憩だ」とニコリと微笑む。ショップに入ってTシャツを選びそれを手にして店内を歩いていると、他の買い物客が「あら、それいいわね。売り場のどこにある?」と、とても気安く話しかけてくる。

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日本にいると人と人がぶつかった時にあまりにも謝る人が少なくてびっくりするが、アメリカではぶつからずとも狭い通路を行きかおうとするだけで「sorry」の言葉と共に笑顔が向けられるので、とても気持ちがいい。その頻度も多く、スーパーマーケットにちょこっと行っただけでも、聞かない日はないぐらいである。

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           (桜の下でお花見をしていた親子)

アメリカにはたくさんの「デリ」があり、デリは小型の食料品店でありつつもその場で調理してくれるバーガーやコーヒーなども売っているお店だ。初めて入った時はちょうど正午で、だけど欲しかったメニューは「朝食」欄にしか書かれていない。それでどうしようか悩んでいると、そこへランチを買いにきた女性が察して話しかけてきてくれて、「朝食」メニューであってもいつでもオーダーできることを知った。

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            (こんなに情緒あるベンチもある)

今日は今日で、八百屋の店先でオクラを選っていると、やはりオクラを買いにきた女性が、選んだオクラを入れるためのビニール袋をクチを広げて一枚くれた。昔の日本にも、きっとあったであろう光景だ。こうして(見知らぬ)人と言葉や笑顔を交わすことが、観光地ではないところであればという注釈は付くものの、1日に何度もあるのである。

プロスペクト・パークに初めて行った時は、ベーコン・バーガーとコーヒーを用意して行き、公園のベンチで陽を浴びながら食べた。湖を見ながら食べていると、目の前を立派な口髭を生やした年配の男性がモグモグしている私を見て、突き出している自分のお腹を円を描きながらさすって白い歯を見せた。

ニューヨーク、毎日が楽しいぞ。

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# by yukaashiya | 2017-04-19 07:02 | アメリカ編 | Comments(0)

トランプ大統領に対する大規模な抗議デモ

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15日に大規模なデモが行われると聞いていたので、マンハッタンへ出かけて行った。トランプ大統領に対する現在の米国民の生の声を聞くいい機会だからである。集会が行われたのはブライアント・パークで、おお、「トランプ・チキン」がお目見えしている。チキンが彼のモチーフになったのは、おそらく髪型のせいと納税申告記録を見せないからだろう。チキンには「意気地なし、臆病者」の意味があるのである。

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多くの声はトランプ氏に対する「納税申告記録を見せろ」。何しろこれは「タックス・マーチ(Tax March)」と呼ばれるデモなのである。中には「私のを見せてやる」と自分の納税証明書のコピーをボードに貼り付けて「アンタのも見せろ」と訴えていたものもあって、それは笑いを誘った。

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、人々が手にしていたボードは実に様々で、ピノキオに掛けて「秘密や嘘はもうたくさん」や「嘘つき」、あるいは「詐欺師」「恥さらし」「インチキ野郎」「寄生虫」などびっくりするようなものもあったし、「人種差別主義者」もあった。「これまでで最低の大統領」とか「トランプを首にしろ」、「戦争は要らない」と書かれたものもあった。

コマンダー・イン・チーフ(最高司令官)に引っ掛けて「コマンダー・イン・チート(詐欺司令官)」など、アメリカ人も結構ダジャレが好きなことを窺わせるものもけっこう見受けられた。

中には「親切なアメリカに戻って」と書かれたものもあった。その人の両親は強制送還されたらしい。

個人的に最も目を引いたのは「アンタ、誰のために働いてんの」。
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デモは、トランプ・タワーへ向かって行進して行った。

翻って、我が国ニッポンの首相はどうか。同じ日、日本では安倍首相の主催で1万6500人もの人々を招いた「桜を見る会」が開かれたという。バブルの時代じゃあるまいし、国民は彼を楽しませるために税金を払っているわけじゃない。「風雪に耐えている」のは安倍さんじゃなくて国民ですよ。彼がこの5年間でできたことってナニ? 日本人はどうして首相や国会議員の無駄遣いに声を上げないの?




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# by yukaashiya | 2017-04-16 13:22 | アメリカ編 | Comments(0)

8年ぶりのニューヨーク

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(ニューヨーク市ブルックリン区で借りたアパート)

日本へ帰国したのは3月11日。翌日にはイベントで司会をして、それからの1ヶ月はあっという間だった。確定申告や原稿の執筆もあったけど、帰国中に済ませなければならないことは他にも山ほどあり、風邪を引いたせいもあって、今年も会う予定にしていた友人たちには半分ほどしか連絡できないほど忙しかった。黄熱病や破傷風、腸チフスのワクチンを接種するのも面倒だった・・・そう、この春は、それらが心配される南米を回る予定でいるからである。ただし4月からの1ヶ月は、ニューヨークに滞在する。

ロンドンから日本への帰国は、エアチャイナ便を使った。色々検索しているうちに、同社のビジネスクラスがメチャ安いことを知ったからだった。日本の航空会社のビジネスクラスの、なんと3分1程度なのである(ただし、日本発便だと値段は上がると思われる)。日本とアメリカとの往復も、日本の航空会社の半額ぐらいだ。値段の安さもさることながら、今年の初めに腰をひどく悪くして全く動けなくなったので、腰をかばうことが最たる目的ではある。まるきり横になれるので、体全体の疲れもさることながら、腰にかかる負担が全く違うのだ。

ああだけど、関空から北京を経由して乗ったN.Y.行きのエアチャイナ便では、ほとんど眠れなかった。機材は2階建ての大きなもので、私のシートは2階席。長時間のフライトでは時差を考慮して眠るための時間を設け機内の照明を落としてくれるものなのだが、それを分かっていない搭乗者が結構いて、彼らは普通の音量でしゃべるものだからうるさかったのである。加えて、彼らは機内を結構歩く。ええ、長時間のフライト中に同じ姿勢を取り続けていれば血栓塞栓症になる恐れがあるからたまに動いた方がいいのは私も知っております。だけど、何も「照明落として眠りましょう」時間に歩くことはないでしょう。しかもそんな人に限ってガタイの大きな男性で、ドスドスッと床を強く踏みしめながら歩く。2階席だから、床からシートに伝わる振動も半端じゃなく、うとうとしてはそれに起こされる始末。オーダーしていた食事は間違ったものを出され、やっと正しいメニューのものがきたら料理が冷めていて、頼んでいたブルゴーニューの赤ワインは持ってきてくれずと、なんだかあんまりな道中だった。腰の具合が悪くならなかったことだけが、不幸中の幸いか(笑)。

なんだかなあの道中はしかし、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に着いても続いた。予定より20分遅れで到着した飛行機はなぜか駐機場への移動を30分も待たされて、ようやく飛行機を降りられたと思ったら、イミグレーションは長蛇の列。自分の順番が来るまで1時間半ぐらい並び、しかもこの間、何人もの中国人が次から次へと並んでいる列へ割り込んで来ようとする。なんやねん中国人、なんやねんアメリカ人。わたしゃ疲れ果てたわ(笑)。

その代わりと言っちゃなんだが、入国審査はあっという間だった。何しにきたのかと聞かれて観光、期間も聞かれて4週間と答え、わたしは「出来たらケンタッキーダービーを見に行きたいし、そのあとは南米を旅して回る予定です」と聞かれもしないのに続けた。そんな人は珍しいのかもしれず、というのも審査官が「盛りだくさんの旅だね」と言いながら破顔したからである。そして彼は「んじゃ、そこの機械に親指以外の4本をつけてね」と言った。各国が採り入れだしている指紋認証である。機械を見ながら指を揃えて置くと、彼の「No, No」という言葉が耳に入った。指の当て方が悪かったのかと顔を上げて彼の方を見ると、どうやら彼はデータを見ながら呟いている様子。結局は入国スタンプを押してくれたけど、もしかすると8年前にカナダとアメリカへ甥と旅した時の、すんなりとは入国させてもらえなかった時のデータが残っているのかもしれなかった。

当時まだ10歳だった甥のSHINとの旅行は、わたしの知識不足で甥の母親からのレターを持って行っておらず、わたしはおそらく人身売買を疑われて、審査に1〜2時間を要したのだった。
↓ご参考にどうぞ。

あれから早くも8年の歳月が流れ、小学生だったSHINはこの春、大学生になった。
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↓8年前のSHIN。ヤンキース・スタジアムにて、松井選手と。
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# by yukaashiya | 2017-04-15 12:00 | アメリカ編 | Comments(0)

トレイシーとの出会い

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2016年度の英国滞在で、最も印象に残った「人との出会い」は、トレイシーとのものだった。彼女はアーティストであると同時に英語の教師もしており、わたしはその生徒として出会ったのだった。と言っても最後の1ヶ月だけなのだが(彼女はそれ以前は他のクラスを受け持っていた)、その1ヶ月がとても充実した内容の濃い授業だったのだ。その土台には彼女の教えることへの情熱と創意工夫があり、それがひしひしと感じられるからなおのこと、学ぶこちら側も一層真剣に取り組む。彼女の「教え」に引き込まれていくと言っていいかもしれない。ビザが切れるので泣く泣くクラスを離れて帰国したが、もっと早く出会えていればと、すごく残念に感じている。

彼女は教えるのが上手いだけでなく、授業を楽しくする達人でもある。3時間のレッスン中、わたしたちは何度笑ったことだろう。元女優なだけに発声やアクションも印象的で、アーティストであるだけに凡人には思いもつかない展開へ話が向かう事もあり、それらもとても楽しかった。ボランティアにも積極的に取り組んでいる人だから、人として学ぶ事もとても多く、それも貴重だった。

そんな彼女がわたしにつけたニックネームは「クイニー(Queenie)」。綴りから分かるように、クイーン(Queen)が元になっている愛称で、わたしの腰の具合がすこぶる悪かったためトレイシーが教師用の椅子(社長用のような椅子)をわたしに貸してくれたことがきっかけだった。

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これはトレイシーのパートナー。彼もとても面白い人らしく、トレイシーからたくさんエピソードを聞いていたわたしは彼の写真を見せてくれと言っていた。するとある日、トレイシーがこの写真を撮ってきてくれたのだった。彼の手には「Hello Queenie」と書かれた紙。彼はこれを持ってカメラに向かって笑えとトレイシーに言われ、訳もわからないまま微笑んでいる(笑)。

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そんなことまでしてくれるトレイシーのクラスが、一体化しないわけがない。これは全員ではないが、特に心の通いあった仲間たちと。チームワークという言葉が当てはまるようなクラスメートたちで、それもトレイシーの人を引っ張る力のなせる技だと感じている。トレイシーを挟んでわたしと反対側に立っているのはアルゼンチン人のフアン。アメリカの方がずっと近いのにイギリス英語を学びたいのだとはるばるロンドンまでやってきた彼もとても良い人で、わたしの最後の日にはアルゼンチン名物のチョコケーキを自ら焼いてきてくれたりした。トレイシーもわたしの帰国をすごく残念がってくれて、滅多に泣かないわたしであるのにわたしの瞳には久しぶりに涙が滲んだ。

忘れえぬ人たちとの出会い、忘れえぬ時空。トレイシーと過ごせたこの1ヶ月だけでも、すごく幸せ
でラッキーな人生だと思えるほどのことだった。ロンドンに戻ったら、またトレイシーに会いに行こうと思っている。

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ロンドン最後の夜は、友人キースや彼の友人ブライアンらと紳士クラブでの楽しい語らい。キースが撮ってくれた写真が良かったので、ついでに掲載しておこう(と言っても、自分が写っているものは小さいサイズで・笑)。







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# by yukaashiya | 2017-04-13 13:51 | 英国生活編 | Comments(0)

今日の英語(?)と備忘録

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(先日、見学に行ったロンドン図書館のリーディング・ルーム。この図書館は1841年の設立で、何とダーウィンもここを利用していたらしい。ここには800万冊の蔵書があり、そのほとんどが貸し出し可能。1500年代の本や100年前の新聞も見られる)

今日の英語のお時間です(笑)。

勉強しただけでは知ることのできない表現の1つに、「It cost a few bob」がある。現在のイギリスの通貨はポンドとペンス(小数点以下)だが、古い貨幣価値にシリングがあり、それはボブと呼ばれていたらしい。a few をつけるから小さな金額かと思えばそうではなくそれなりに「価値」を持つ量の金額を意味するらしい。つまり、「それなり(それ相応)の金額」というところだろう。

もっと気楽に使える表現に「cake」がある。イギリスといえば紅茶で、それだけに「She is my cup of tea」(彼女は僕の好み)という表現があることは以前、競馬ブック誌のエッセイに書いたことがあるが、これを「ケーキ」に置き換えることもできるのだ。

「バナナ」は、組織において最も重要な人(あるいは二番目)を表現するのにも使える。例えば、最も重要な人であれば 「a top banana 」。a top banana of the Mafiaなら、そのマフィアのボスということになる。マフィアのバナナ・・・怖くないやん(笑)。

ちなみに、bananasと複数になると「おかしなヤツ」とか「クレイジー」と全く別の意味になるので、気をつけられたし。

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(ウエストミンスター大学のバー。大学のバーが、英国ではこんなに洒落ているのです)

<備忘録>
・Westminster Talks : What do the Arabs Really Want? ウエストミンスター大学のレクチャー・シリーズで、HSBCホールディングスのシニア・アドバイザーなど金融関係で重要な役割を歴任してきたSherard Cowper-Coles卿による講演。教育をはじめとしたアラブの人々の欲することなどをレクチャーしてくれた。

・A history of gay and lesbian cinema in 10 films : ブリティッシュ・アカデミーのイベントで、キングス・カレッジ・ロンドンの大学教授 Richard Dyer氏による講演。司会にはV&Aのアシスタント・キューレイター Zorian Clayton氏。100年前にはすでにゲイやレズビアンの人々を表現した映画があったことにも驚いたが、日本でも50年ぐらい前に上映されていたのにもびっくりした。日本の作品では、三島由紀夫原作の「薔薇の葬列」(1969年)がこのイベントで紹介されていた。

・Bee Midtown Conway Hall Walk: コンサートで度々訪れているコンウェイ・ホールを紹介してくれるウォーキング・ツアーに参加。建物が建てられた最初は1787年で、ホールの名前になっているアメリカ人のコンウェイ氏がここの任務に呼ばれたのは1864年。人の尊厳を大事にした彼が与えた影響は大きく、この建物は「 a Home of for Humanism」ともよばれ、内部にはヒューマニスト図書室(蔵書1万冊)もある。

Malvyn Tan performs at Rhinegold :コンウェイ・ホールで定期的に開かれる Rhinegold開催のコンサート(優れているけどまだ名の売れていない音楽家を世界中から発掘して彼らの腕をここで披露したり音楽活動をサポートしている)。今回はシンガポール生まれのピアニストで、彼はロンドンの音楽学校で学んだ男性だ。今年ちょうど60歳になったらしいが、そんな年齢には思えないほど若々しい指の動きと奏でる透明感のある響き(そして彼の笑顔も)に驚かされた。ベートーヴェン(Op126)やツェルニー(Variations on a Theme by Rode)も良かったし、現代の作曲家Dove氏のCatching Fireも秀逸だった。

・上記写真に書いたロンドン図書館ウォーキング・ツアー

・Understanding Difference through migrant contributions to British Culture : ウエストミンスター大学のホールにて、3人の移民女性による文化の違いや移住してきた英国で感じていることなどを写真なども交えながら講演。同大学の「Understanding Difference」イベント・シリーズの1つで、こういうショーを開いて「違う人々を受け入れていく」姿勢はいかにも英国らしいと言えるだろう。

Westminster Talks : Prime Ministers and Doing Street from 1735 until today : a uniquely British puzzle : ウエストミンスター大学にあるリージェント・シネマ(ロンドン最古の映画館)で行われたトークショーで、同大学のレクチャー・シリーズの1つ。同大学の出身者で現在はバッキンガム大学の副総長であるAnthony Seldon卿によるトークで、1735年以降の英国首相(53人)でNo.10 (首相官邸の家番号)に暮らした38人についてのもの。歴史や教育、政治についてなどたくさんの本の著者でもある氏の話は多岐にわたっており、いろんなエピソードが聞けてとても面白かった。

・Broken Blossoms (Silent film): ウエストミンスター大学にあるリージェント・シネマでの、1919年制作の無声映画。主人公の中国人はアングロ・サクソン人のいる島(イギリス)へ行けとブッダのお告げを夢に見て、ロンドンへやってきた。だが異国では暮らしや人々に馴染むのは容易ではなく、しかも密かに恋い焦がれた近所に暮らす英国人女性は父親からひどい虐待を受けており、そんな彼女を彼は必死に守ろうとするのだが、彼女は父親に殺され、その死をはかなんだ彼は自殺するという悲しいストーリー。だが「移民」「家庭内暴力」など現代の問題に繋がることがテーマとなったこの映画が100年前に作られたという意味でもとても興味深かった。映画そのものは無声だが、ところどころで文章が画面に表示され、また上映中ずっと場面に合わせた電子オルガンでの演奏があったし、フィルムは白黒だけでなく、川を写す時はブルーのおそらくフィルムを貼るなどして撮影されていたのも興味を引いた。

どうやらYutubeでも観れるらしい。





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                   (Conway Hall )



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# by yukaashiya | 2017-03-06 00:49 | 英国生活編 | Comments(3)